【2026年版】BtoBマーケティング施策一覧30選|フェーズ別の選び方・費用・KPIを解説
2026.10.01
- BtoBマーケティング
「BtoBマーケティングの施策を一通り洗い出して、来期の計画を出してほしい」
「リードは増えたのに、商談につながらない」
「SEOも広告も展示会もやっている。でも、どれが効いているのかわからない」
BtoBのマーケティング担当者や営業責任者から、私たちが最もよく受ける相談がこの3つです。施策の選択肢は年々増えていますが、人も予算も限られた中で全部はできません。必要なのは「施策の数」ではなく、自社の状況に合った施策を選び、マーケと営業をつないで成果に変える設計です。
本記事では、スタートアップから中堅企業までBtoBマーケティングと営業の伴走支援を行うSemuis(セムイス)が、現場で使っているBtoBマーケティング・営業施策30個をフェーズ別に一覧化しました。各施策について「向いている企業」「費用の目安」「成果が出るまでの期間」「見るべきKPI」「よくある失敗」まで踏み込んで解説し、後半では自社に合う施策の選び方と、状況別の施策の組み合わせ例も紹介します。
この記事でわかること
- 2026年のBtoB購買行動の変化と、施策選びの前提(国内外の最新調査データ付き)
- BtoBマーケティング・営業施策30個の一覧表(費用・期間・難易度つき)
- 認知〜既存顧客の拡大まで、6フェーズ別の各施策の進め方とKPI
- 自社に合う施策を選ぶ5ステップと、状況別のおすすめ組み合わせ5パターン
- 施策が成果につながらない企業に共通する5つの落とし穴
施策を選ぶ前に押さえたい、BtoB購買の3つの変化
施策一覧に入る前に、前提となる「買い手の変化」を整理します。ここを押さえずに施策を並べると、「施策は動いているのに売上が伸びない」状態に陥りやすくなります。
変化1:買い手は営業に会う前に「候補」を決めている
米6senseの「2025 Buyer Experience Report」によると、買い手が売り手に初めて接触するのは購買プロセスの約61%が進んだ時点で、その時点で94%の購買グループが候補ベンダーに優先順位を付けていると報告されています(6sense, 2025)。
日本でも同じ傾向が見られます。ワンマーケティングの調査では、企業の購買担当者の85%が初回面談の前に購買先候補を絞り込んでいると回答しています(ワンマーケティング調べ, 2025年11月)。HubSpot Japanの2026年の調査でも、売り手に接触する時点で63.5%の買い手が複数の候補をリストアップ済みでした(HubSpot Japan調べ, 2026年7月)。
つまり勝負の大半は「営業が会う前」に決まっているということです。マーケティング施策の役割は「リードを集めること」から、「候補リストに入ること」「比較で選ばれる材料を先に届けること」へと広がっています。
変化2:今すぐ買う企業は市場の5%しかいない
LinkedInのB2B Instituteが提唱する「95-5ルール」によると、ある時点で「今まさに購買を検討している」企業は市場のわずか5%で、残りの95%は数か月〜数年先まで購買しません(Marketing Week, 2021)。
この5%だけを刈り取る施策(広告・テレアポなど)に偏ると、すぐに獲得単価が高騰し、頭打ちになります。残り95%に対して「思い出してもらえる状態」を作る認知・育成施策と、5%を確実に拾う獲得・商談化施策を両輪で設計することが重要です。
変化3:生成AIが「最初の相談相手」になった
情報収集の入口も変わりました。HubSpot Japanの同調査では、BtoB購買担当者の41.6%が「生成AI・AI検索が購買判断に与える影響が増えた」と回答。IDEATECHの調査では、BtoB購買の決裁者の62.9%が企業サイトを直接読まずに生成AIの要約を利用しているという結果も出ています(IDEATECH調べ, 2026年7月)。海外ではG2の調査で、ソフトウェア購買者の51%がAIチャットボットから調査を始めると報告されています(Demand Gen Report, 2026)。
一方で、Gartnerの2025年の調査では、BtoBバイヤーの61%が「営業担当者を介さない購買体験」を好む一方、73%が「自分に関係のない営業連絡をしてくる企業を積極的に避ける」と回答しています(Gartner, 2025)。数を打つだけの営業は、むしろブランドを傷つけかねない時代です。
ここまでのポイント
・候補選びは営業接触の前に終わっている → 「比較される前」に届く施策が必要
・今買う企業は5%だけ → 獲得施策と認知・育成施策を両輪で
・生成AIが情報収集の入口に → AIに引用される情報設計(LLMO)が新たな必須施策に
・関係のない営業は嫌われる → マーケと営業の情報を連携させ「適切な相手に適切なタイミングで」
BtoBマーケティングの基本的な考え方や、マーケ・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスの分業モデルについては、The Model(ザ・モデル)とは?4つの分業プロセスとKPI設計・導入手順やデマンドジェネレーションとは?もあわせてご覧ください。
【一覧表】BtoBマーケティング・営業施策30選
本記事では、施策を買い手の購買プロセスに沿って6つのフェーズに分けています。競合記事の多くはマーケティング施策のみを扱っていますが、BtoBではマーケティングと営業の境目で成果が漏れることが非常に多いため、テレアポ・フォーム営業・セールスイネーブルメントといった営業施策も同じ一覧に入れています。
- 認知:まだ自社を知らない企業に知ってもらい、候補リストに入る
- リード獲得:興味を持った企業の連絡先・検討情報を得る
- アウトバウンド営業:狙った企業に自分から接点を作りにいく
- リード育成:「今すぐ客」でないリードの検討度を高め、商談に引き上げる
- 商談化・受注:商談の質と受注率を高める
- 維持・拡大:既存顧客の継続・追加購入・紹介を増やす
費用・期間・難易度は、Semuisの支援現場での一般的な目安です。商材単価、業界、内製か外注かによって大きく変わるため、あくまで比較の参考としてご覧ください。
| No. | 施策 | フェーズ | 費用目安 | 成果までの期間 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | SEO・オウンドメディア | 認知 | 月10〜50万円 | 6〜12か月 | ★★☆ |
| 2 | LLMO(AI検索対策) | 認知 | 月0〜30万円 | 3〜6か月 | ★★☆ |
| 3 | 企業SNS運用 | 認知 | 月0〜30万円 | 3〜6か月 | ★☆☆ |
| 4 | ソーシャルセリング(経営者・社員の発信) | 認知 | 工数のみ | 3〜6か月 | ★☆☆ |
| 5 | プレスリリース・PR | 認知 | 1配信数万円〜 | 即時〜3か月 | ★☆☆ |
| 6 | 動画・ポッドキャスト | 認知 | 月5〜50万円 | 6か月〜 | ★★☆ |
| 7 | 比較サイト・レビューサイト掲載 | 認知 | 無料〜成果報酬 | 1〜3か月 | ★☆☆ |
| 8 | リスティング広告 | リード獲得 | 月20万円〜 | 即時〜1か月 | ★★☆ |
| 9 | SNS広告・企業ターゲティング広告 | リード獲得 | 月20万円〜 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 10 | ホワイトペーパー | リード獲得 | 1本10〜50万円 | 1〜3か月 | ★☆☆ |
| 11 | 自社ウェビナー | リード獲得 | 1回0〜30万円 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 12 | 共催ウェビナー・共催セミナー | リード獲得 | 1回0〜数十万円 | 1〜2か月 | ★★☆ |
| 13 | 展示会出展 | リード獲得 | 1回100〜500万円 | 即時〜3か月 | ★★★ |
| 14 | リード獲得代行・資料掲載メディア | リード獲得 | 1リード数千〜数万円 | 即時〜1か月 | ★☆☆ |
| 15 | LPO・EFO(サイトのCV改善) | リード獲得 | 0〜50万円 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 16 | テレアポ(アウトバウンドコール) | アウトバウンド | 代行なら月30〜80万円 | 即時〜1か月 | ★★☆ |
| 17 | フォーム営業 | アウトバウンド | 1件数十円〜 | 即時〜1か月 | ★☆☆ |
| 18 | 手紙・DM | アウトバウンド | 1通数百〜数千円 | 1〜2か月 | ★★☆ |
| 19 | パートナー・代理店販売 | アウトバウンド | 売上の10〜30%程度 | 6か月〜 | ★★★ |
| 20 | メールマーケティング | リード育成 | 月0〜数万円 | 1〜3か月 | ★☆☆ |
| 21 | MA(マーケティングオートメーション) | リード育成 | 月数万〜数十万円 | 3〜6か月 | ★★★ |
| 22 | インサイドセールス | リード育成 | 1人あたり月40〜80万円 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 23 | 導入事例コンテンツ | リード育成 | 1本10〜30万円 | 1〜3か月 | ★☆☆ |
| 24 | ABM(アカウントベースドマーケティング) | 商談化・受注 | 月数十万円〜 | 6〜12か月 | ★★★ |
| 25 | インテントデータ・訪問企業解析 | 商談化・受注 | 月数万〜数十万円 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 26 | セールスイネーブルメント | 商談化・受注 | 工数中心 | 3〜6か月 | ★★☆ |
| 27 | 無料トライアル・デモ・PoC | 商談化・受注 | 工数中心 | 1〜3か月 | ★★☆ |
| 28 | カスタマーサクセス | 維持・拡大 | 人件費中心 | 6か月〜 | ★★☆ |
| 29 | ユーザー会・コミュニティ | 維持・拡大 | 1回0〜数十万円 | 6か月〜 | ★★☆ |
| 30 | リファラル(顧客紹介制度) | 維持・拡大 | 紹介報酬のみ | 3〜6か月 | ★☆☆ |
※費用は外注・ツール費用を含む月額または1回あたりの目安。難易度は★が多いほど、立ち上げに必要なスキル・体制・社内調整の負荷が高いことを示します。
ここからは、各施策を「どんな施策か」「向いている企業」「主なKPI」「成果を出すポイント」「よくある失敗」の順に解説します。気になる施策は一覧表のリンクから読み進めてください。
【認知フェーズ】候補リストに入るための施策7選
認知フェーズの目的は、まだ自社を知らない企業、あるいは課題に気づき始めた企業に「この領域ならこの会社」と覚えてもらうことです。前述のとおり、買い手は営業に会う前に候補を絞り込みます。このフェーズで名前が挙がらない企業は、比較の土俵にすら上がれません。
1. SEO・オウンドメディア
自社サイトやオウンドメディアで、ターゲット企業が検索するキーワードに答える記事を発信し、検索経由で見つけてもらう施策です。一度上位表示されれば広告費をかけずに見込み顧客が流入し続ける「資産型」の施策で、BtoBマーケティングの土台になります。
- 向いている企業:検索される課題・カテゴリがある商材(SaaS、業務支援サービス、専門性の高い製品など)。中長期でリード獲得の単価を下げたい企業
- 主なKPI:狙ったキーワードの順位、自然検索流入数、記事経由のCV(資料DL・問い合わせ)数、指名検索数
成果を出すポイント:BtoBのSEOでは、検索ボリュームの大きさよりも「その検索をする人が自社の顧客になりうるか」を優先します。「〇〇とは」のような情報収集段階のキーワードと、「〇〇 比較」「〇〇 費用」「〇〇 代行」のような比較検討段階のキーワードを分けて設計し、まずはCVに近い比較検討キーワードから着手するのが定石です。記事には必ず、読者の次の行動につながるホワイトペーパーや事例への導線を置きましょう。
よくある失敗:PV数だけを追ってしまい、アクセスは増えたのに商談がまったく生まれない。自社と関係の薄い「バズるテーマ」を量産するのが典型例です。
▶ 関連記事:インバウンドマーケティングとは?アウトバウンドとの違い・主な手法と進め方/指名検索とは?BtoBで増やす施策5ステップ/BtoBオウンドメディア運用に強い会社6選
2. LLMO(AI検索対策・GEO)
ChatGPT、Gemini、PerplexityやGoogleのAIによる概要(AI Overviews)など、生成AIの回答の中で自社の名前や情報が引用・推奨されるようにする施策です。LLMO(Large Language Model Optimization)やGEO(Generative Engine Optimization)とも呼ばれます。
トライベックの調査では、BtoBの製品情報の収集にAI検索を使う人は約65%にのぼります(トライベック調べ, 2026年)。AIに「〇〇におすすめのツールは?」と聞いたときに名前が出ないことは、検索結果に表示されないのと同じくらいの機会損失になりつつあります。
- 向いている企業:すべてのBtoB企業。特にIT・SaaS・専門サービスなど、AIで比較されやすいカテゴリ
- 主なKPI:主要な質問に対するAI回答での自社の言及率・引用数、AI経由の流入数、指名検索数
成果を出すポイント:AIは「明確に構造化され、第三者からも言及されている情報」を引用しやすい傾向があります。サービスページに料金・対象企業・他社との違い・導入実績を具体的に明記する、FAQを整備する、調査データや事例など一次情報を発信する、プレスリリースや比較サイトなど外部での言及を増やす、といった地道な取り組みが効きます。まずは自社のカテゴリで想定される質問を20〜30個用意し、主要なAIに投げて「今どう答えられているか」を定点観測するところから始めましょう。
よくある失敗:AI向けに特殊なテクニックがあると考え、人が読んでも価値のないページを量産してしまう。AIに選ばれる情報は、人にとっても信頼できる情報です。
▶ 関連記事:LLMO(GEO)とは?AI検索で自社が引用されるためのBtoBマーケティング対策手順
3. 企業SNS運用(X・LinkedIn・Facebook・note)
企業の公式アカウントで、業界の知見やノウハウ、イベント情報などを発信する施策です。BtoBでは、ノウハウを発信して専門性を示すXやnote、ビジネスパーソンとつながるLinkedInやFacebookが中心になります。
- 向いている企業:発信できる専門知識がある企業、採用広報も兼ねたい企業、決裁者が経営者で意思決定が速い中小企業向けの商材
- 主なKPI:フォロワー数よりも「ターゲット層のフォロワー比率」、プロフィール・サイトへの遷移数、DMや問い合わせの数
成果を出すポイント:BtoBのSNSは「売り込み」ではなく「役立つ情報の提供」で信頼を貯める場です。投稿の比率はノウハウ・業界情報7割、事例・イベント2割、自社宣伝1割くらいを目安にするとよいでしょう。Semuisの支援先であるMonteKey様では、X運用でアポ率5%、1,500名以上とのつながりを構築しました(MonteKey様の事例)。
よくある失敗:担当者が1人で抱え込み、3か月で更新が止まる。投稿ネタのストック、承認フローの簡略化など、続けられる仕組みを先に作りましょう。
▶ 関連記事:BtoB SNS運用に強い会社6選/note運用のコツとは?企業アカウントで成果を出す10のポイント/BtoB向けX(旧Twitter)運用に強い会社6選
4. ソーシャルセリング(経営者・社員の個人発信)
経営者や営業担当者が、個人のSNSアカウントで専門知識や考えを発信し、信頼関係を築いたうえで商談につなげる施策です。BtoBの購買は「どの会社か」と同じくらい「誰から買うか」で決まるため、顔の見える個人の発信は企業アカウントよりも反応が良くなりやすい傾向があります。
- 向いている企業:経営者や専門家が自ら発信できる企業、コンサル・支援サービスなど「人」が商品価値に直結する業種
- 主なKPI:ターゲット層とのつながり数、DM・紹介経由の商談数、発信をきっかけにした指名問い合わせ数
成果を出すポイント:いきなり営業DMを送るのではなく、①プロフィールを「誰の何の課題を解決する人か」がわかる状態に整える、②価値ある発信を続ける、③ターゲットの投稿にコメントして関係をつくる、④相手の関心が高まったタイミングで対話を提案する、という順番を守ることが重要です。
よくある失敗:つながった直後に売り込みのDMを一斉送信する。前述のGartnerの調査のとおり、関係のない営業連絡は買い手に避けられ、逆効果になります。
▶ 関連記事:ソーシャルセリングとは?注目される背景・実践4ステップ/BtoBインフルエンサーマーケティングガイド
5. プレスリリース・PR
新サービスの開始、資金調達、調査結果、業務提携などのニュースをプレスリリースとして配信し、メディアに取り上げてもらう施策です。メディア露出による認知拡大に加え、「第三者からの言及」が増えることで、検索エンジンやAIからの信頼性評価にも良い影響が期待できます。
- 向いている企業:新サービスの立ち上げ期、資金調達後、業界の独自データを持っている企業
- 主なKPI:メディア掲載数、転載数、配信後の指名検索数・サイト流入数
成果を出すポイント:BtoBで特に効果的なのが「調査リリース」です。ターゲット層にアンケートを行い、その結果をリリースとして発信すると、メディアや他社のブログに引用されやすく、ホワイトペーパーやウェビナーのネタにも転用できます。本記事で引用している調査データの多くも、実はこうした企業の調査リリースです。
よくある失敗:「新機能をリリースしました」という自社都合のニュースばかりで、記者や読者にとってのニュース性がない。社会・業界の動きとの関連を必ず示しましょう。
6. 動画・ポッドキャスト
YouTubeでのノウハウ解説、ショート動画、経営者対談のポッドキャストなど、音声や映像で専門性と人柄を伝える施策です。テキストよりも「この人たちに相談したい」という感情を動かしやすく、ウェビナーのアーカイブ活用などで他施策との相乗効果も見込めます。
- 向いている企業:説明が難しい無形商材、製品の動きを見せたい製造業、経営者・専門家の顔を出せる企業
- 主なKPI:再生数・視聴維持率、チャンネル登録・フォロワー数、概要欄からのサイト遷移・CV数
成果を出すポイント:新規で動画を作り込む前に、ウェビナーの録画を切り出す・商談でよく聞かれる質問に1問1答で答えるなど、既存の素材や知見を再利用すると制作負荷を大きく下げられます。
よくある失敗:凝った会社紹介動画を1本作って終わる。BtoBの動画・音声は「継続」と「検索される悩みへの回答」で成果が出ます。
▶ 関連記事:ポッドキャストマーケティングとは?始め方5ステップ/ショート動画マーケティングの始め方
7. 比較サイト・レビューサイト掲載
ITreview、BOXIL SaaSなどのBtoB向け比較・レビューサイトに自社サービスを掲載し、比較検討中のユーザーに見つけてもらう施策です。検討が進んだユーザーが集まるため商談につながりやすく、ユーザーのレビューは購買の後押しになります。
G2とHeinz Marketingの調査では、BtoB購買者の92.4%が「信頼できるレビューを読むと購入の可能性が高まる」と回答しています(ITreview掲載データより)。
- 向いている企業:SaaS・ITツールなど比較されやすい商材、競合が多いカテゴリで後発の企業
- 主なKPI:掲載ページの閲覧数、資料請求数、レビュー件数・評価、比較サイト経由の商談化率
成果を出すポイント:掲載するだけでなく、既存顧客にレビュー投稿を依頼して件数と評価を積み上げることが重要です。カスタマーサクセスの定例の場で依頼する、オンボーディング完了時に依頼するなど、仕組みとして組み込みましょう。
よくある失敗:資料請求型のサイトで大量のリードを獲得したものの、情報収集段階の人が多く商談化率が低い。リード獲得後のフォロー体制とセットで設計する必要があります。
▶ 関連記事:BtoBレビューマーケティングとは?比較サイト・レビューサイト活用で商談を増やす実践ステップ
【リード獲得フェーズ】見込み顧客との接点をつくる施策8選
リード獲得フェーズの目的は、関心を持った企業の担当者情報(リード)を獲得し、継続的にコミュニケーションをとれる状態にすることです。ただし、リードの「数」だけを追うと、商談にならないリードが積み上がるだけになります。施策ごとに「どの検討段階のリードが獲れるか」を理解し、後工程の育成・商談化とセットで設計しましょう。
8. リスティング広告(検索連動型広告)
GoogleやYahoo!の検索結果に表示される広告です。「〇〇 ツール」「〇〇 代行 費用」など、課題が明確になっているユーザーの検索に合わせて広告を出せるため、今すぐ検討している5%の企業を最短で獲得できる施策です。
- 向いている企業:検索されるカテゴリ名がある商材、すぐにリードが必要な立ち上げ期の企業
- 主なKPI:CPA(リード獲得単価)、CVR、そして最重要なのは商談単価・受注単価
成果を出すポイント:BtoBのリスティング広告は、CPAではなく「1商談あたりの費用」「1受注あたりの費用」で評価することが鉄則です。CPAが安いキーワードが商談につながらず、CPAが高いキーワードが受注を生んでいるケースは珍しくありません。CRMと連携してキーワード単位で受注まで追えるようにしましょう。
よくある失敗:「無料」「とは」など情報収集段階の語句で広告が表示され、学生や競合の閲覧で予算を消化してしまう。除外キーワードの設定を必ず行いましょう。
▶ 関連記事:リスティング広告(検索連動型広告)とは?/広告に強いWEBマーケティング会社おすすめ10選
9. SNS広告・企業ターゲティング広告
LinkedIn、Meta(Facebook・Instagram)、Xなどの広告や、企業の業種・規模・IPアドレスなどでターゲットを絞って配信する広告です。検索広告と違い、まだ課題を検索していない潜在層にもアプローチできるのが特徴です。
- 向いている企業:検索ボリュームが小さい新しいカテゴリの商材、特定の業種・役職に絞って届けたい企業
- 主なKPI:ターゲット企業へのリーチ数、CPA、ホワイトペーパーDL数、リターゲティング経由のCV数
成果を出すポイント:潜在層にいきなり「問い合わせ」を求めてもCVしません。広告のゴールはホワイトペーパーやウェビナーなど、ハードルの低いオファーに設定するのが基本です。また、サイト訪問者へのリターゲティング広告と組み合わせると効率が上がります。
よくある失敗:BtoCと同じ感覚で配信し、ターゲット外のクリックばかり集める。BtoBでは配信面とターゲティングの精度が成果を左右します。
▶ 関連記事:BtoB向け企業ターゲティング広告とは?主要4媒体比較/LinkedIn広告の始め方/リターゲティング広告とは?
10. ホワイトペーパー(お役立ち資料)
業界の課題解決ノウハウ、調査レポート、チェックリスト、比較表などをPDF資料にまとめ、ダウンロードと引き換えに連絡先を獲得する施策です。BtoBのリード獲得の「受け皿」として、SEO・広告・SNSなどあらゆる施策のゴールになります。
IDEATECHの調査では、年間300万円以上のBtoB商材の情報収集手段として、ホワイトペーパー・資料が41.0%と、ウェビナー・セミナー(42.3%)に次ぐ高い割合となっています(Web担当者Forum, 2026年4月)。
- 向いている企業:すべてのBtoB企業。特に検討期間が長い高単価商材
- 主なKPI:ダウンロード数、ダウンロード後の商談化率、資料ごとの受注貢献
成果を出すポイント:ホワイトペーパーは検討段階別に揃えるのが効果的です。情報収集段階向けの「ノウハウ集・業界レポート」、比較検討段階向けの「選び方ガイド・比較表・費用相場」、導入直前向けの「導入事例集・稟議用資料」の3種類を用意すると、ダウンロードされた資料の種類で相手の温度感がわかり、インサイドセールスの優先順位付けにも使えます。
よくある失敗:中身が自社製品のパンフレットになっている。「売り込み資料」は情報収集段階のユーザーには読まれず、信頼も失います。
▶ 関連記事:ホワイトペーパーとは?BtoBリード獲得につながる作り方・構成・活用手順
11. 自社ウェビナー
オンラインでセミナーを開催し、参加申込でリードを獲得する施策です。60分前後の時間をかけて自社の専門性を伝えられるため、リード獲得と育成を同時に行えるのが最大の強みです。
- 向いている企業:専門性を語れる人材がいる企業、検討期間が長い商材、全国・遠方の顧客を狙いたい企業
- 主なKPI:申込数、参加率、アンケートでの「個別相談希望」率、ウェビナー経由の商談数
成果を出すポイント:海外の大手ウェビナープラットフォームON24のデータでは、BtoBウェビナー申込者の平均57%が実際に参加しています(MarketingProfs, 2025)。逆に言えば4割強は参加しないため、前日・当日のリマインドとアーカイブ配信を必ずセットにしましょう。また、終了直後のアンケートで「個別相談を希望する」を選んだ人には当日中に連絡することで商談化率が大きく変わります。
よくある失敗:内容の半分以上が製品紹介になり、参加者の満足度が下がる。「学び」8割、「自社紹介」2割を目安にしましょう。
▶ 関連記事:BtoBウェビナーを開催する際の集客・告知・配信から顧客獲得まで
12. 共催ウェビナー・共催セミナー
ターゲットが同じで競合しない他社と共同でウェビナーやセミナーを開催し、お互いの顧客リストに告知して集客する施策です。自社だけではリーチできない企業のリードを、低コストで獲得できるのが魅力です。
- 向いている企業:自社のハウスリストがまだ少ない企業、補完関係のあるパートナー企業がいる企業
- 主なKPI:新規リード数(自社リストと重複しない割合)、商談化率、共催パートナー数
成果を出すポイント:共催相手は「同じ顧客の、隣の課題を解決している企業」を選びます。たとえば会計ソフトと経費精算ツール、MAツールとコンテンツ制作会社のような組み合わせです。リード情報の共有範囲や事後フォローの順番は、開催前に必ず取り決めておきましょう。
よくある失敗:告知力の差が大きい相手と組み、片方だけがリストを提供する形になって関係が続かない。お互いの集客目標を事前に合意しておくことが大切です。
▶ 関連記事:パートナーマーケティングとは?基礎から徹底解説
13. 展示会出展
業界の展示会にブースを出展し、来場者と名刺交換・デモを通じてリードを獲得する施策です。1回で数百〜数千件の名刺を獲得できることもあり、特に製造業や対面での信頼構築が重要な業界では、今も主力の施策です。
- 向いている企業:製造業・建設業など業界展示会が定着している業種、実物を見せたい製品、大手企業の担当者に会いたい企業
- 主なKPI:名刺獲得数よりもランク別のリード数、商談化率、受注額(展示会ROI)
成果を出すポイント:展示会の成否は「出展後」で決まります。Ask Oneの調査では、展示会担当者の71.5%が「当日〜翌日にフォローすると商談化率が上がった」と実感しています(Ask One調べ, 2026年5月)。ブースで会話内容をもとにリードをA〜Cにランク付けし、Aランクには翌日までに電話、B・Cランクにはお礼メールと資料送付、というフォローの段取りを出展前に決めておきましょう。Semuisが支援した産業機器メーカーでは、展示会リードの商談化率を8%から31%に改善しています。
よくある失敗:名刺を集めて満足し、一斉メールを1通送って終わる。同調査では展示会のROIを把握していない企業が32.6%にのぼり、「やりっぱなし」の出展が少なくないことがわかります。
▶ 関連記事:展示会マーケティングとは?リード獲得から商談化までの実践手順とKPI設計
14. リード獲得代行・資料掲載メディア
BtoB向けのビジネスメディアや資料ダウンロードサイトに自社の資料を掲載し、ダウンロードしたユーザーのリードを成果報酬で獲得する施策です。初期費用を抑えて「確実にリード数を確保できる」点が魅力です。
- 向いている企業:リードを短期間で一定数確保したい企業、ナーチャリングの仕組みがすでにある企業
- 主なKPI:リード単価、商談化率、媒体別の受注単価
成果を出すポイント:このチャネルで獲得するリードは、「複数社の資料をまとめてダウンロードしただけ」の情報収集段階のユーザーが多く含まれます。獲得後すぐにインサイドセールスがフォローできる体制と、長期的に育成するメール配信の仕組みがあって初めて投資対効果が合います。
よくある失敗:リード数のKPIだけを追って複数媒体に出稿し、営業がフォローしきれずにリードが放置される。媒体ごとに商談化率・受注率を比較し、成果の出る媒体に絞り込みましょう。
▶ 関連記事:リードジェネレーションとは?主要な獲得手法・KPI設計から実践5ステップまで
15. LPO・EFO(サイトのCV改善)
サービスサイトやランディングページ(LP)、問い合わせフォームを改善し、訪問者が資料請求や問い合わせをする割合(CVR)を高める施策です。集客施策を増やす前に必ず見直したい、最も費用対効果の高い施策の一つです。CVRが1%から2%になれば、同じ広告費・同じ流入数でリードは2倍になります。
- 向いている企業:月1,000セッション以上のサイト流入がある企業、広告費が膨らんでいる企業
- 主なKPI:ページ別CVR、フォーム到達率・完了率、直帰率
成果を出すポイント:BtoBのサイトで特に効く改善は、①ファーストビューで「誰の何の課題を解決するか」を明示する、②料金の目安を載せる、③導入企業のロゴや事例を見せる、④フォームの項目を減らす、⑤「資料DL」「無料相談」「料金表」などハードルの異なるCVポイントを複数用意する、の5つです。Semuisが支援したSaaS企業では、LPのCVRを1.2%から4.1%に改善し、月間の新規商談数を5件から22件に増やしました。
よくある失敗:デザインの好みでリニューアルを繰り返し、何が効いたのかわからない。仮説を立ててA/Bテストで1つずつ検証しましょう。
▶ 関連記事:BtoBランディングページ(LP)の作り方とは?/EFO(エントリーフォーム最適化)とは?/ABテストのやり方5ステップ
【アウトバウンド営業フェーズ】狙った企業に自ら接点をつくる施策4選
インバウンド施策は「見つけてもらう」のを待つ施策ですが、アウトバウンド施策は自社が本当に取引したい企業に、こちらから接点をつくりにいく施策です。立ち上げ期で認知がない企業や、ターゲット企業の数が限られている大手向けの商材では、インバウンドよりも先に成果が出ることも少なくありません。
ただし、Gartnerの調査のとおり買い手の73%は「関係のない営業連絡をする企業」を避けます。アウトバウンドで成果を出す鍵は、リストの精度と、相手にとっての「連絡を受ける理由」を設計することです。
16. テレアポ(アウトバウンドコール)
ターゲット企業のリストに電話をかけ、商談のアポイントを獲得する施策です。「古い手法」と言われることもありますが、決裁者と直接話せる・反応がその場でわかるという点で、今も即効性の高い施策です。
- 向いている企業:ターゲット企業が明確な商材、単価が高く1件のアポの価値が大きい商材、立ち上げ期で市場の反応を早く知りたい企業
- 主なKPI:架電数、接続率(担当者と話せた率)、アポ獲得率、アポからの商談化率・受注率
成果を出すポイント:成果の8割は「誰に電話するか」で決まります。業種・規模・導入ツール・求人状況・資金調達などの情報から、「今まさに課題を抱えていそうな企業」を優先的にリストアップしましょう。トークは製品説明ではなく、相手の業界で起きている課題の仮説を投げかけて、ヒアリングの許可をもらう構成にすると、断られにくくなります。
よくある失敗:アポ数をKPIにした結果、受注見込みの低い「とりあえず会うだけ」のアポが量産され、フィールドセールスが疲弊する。アポの質の基準をマーケ・営業で合意しておきましょう。
▶ 関連記事:BtoBアウトバウンドコール大全。調査結果と成果の出る手法まとめ/営業トークスクリプトとは?作り方5ステップ
17. フォーム営業
企業のWebサイトにある問い合わせフォームから、営業メッセージを送る施策です。電話のように相手の時間を奪わず、決裁者や担当部署に文面が届く可能性があるため、低コストで大量の企業にアプローチできます。
- 向いている企業:中小企業がターゲットの商材、テレアポのリソースがない企業、新しいメッセージを低コストでテストしたい企業
- 主なKPI:送信数、返信率、アポ獲得率、送信先1件あたりの商談獲得コスト
成果を出すポイント:文面は「件名で自分宛てだとわかる」「冒頭3行で相手のメリットがわかる」「返信のハードルが低い(資料だけ欲しい人向けの選択肢がある)」の3点を意識します。業種ごとに事例や課題を差し替え、テンプレートの一斉送信感をなくすことで返信率は大きく変わります。
よくある失敗:「営業目的の送信はお断り」と明記されたフォームにも送ってしまい、企業イメージを損なう。送信ルールを決め、配信停止の申し出には必ず対応しましょう。
▶ 関連記事:フォーム営業とは?返信率の目安と成果につながる文面・リスト作成の手順/フォーム営業の設計と実務に強い会社6選
18. 手紙・DM(ダイレクトメール)
ターゲット企業の決裁者宛てに、手紙や郵送のDMを送る施策です。メールや電話が届きにくい大手企業の役員クラスにも、紙の手紙は秘書や受付を経由して届く可能性があり、デジタル全盛の今だからこそ「目に留まる」施策です。
- 向いている企業:大手企業・決裁者を狙うABM型の営業、高単価商材、経営者向けの商材
- 主なKPI:送付数、反応率(電話・メール・Webアクセス)、アポ獲得率
成果を出すポイント:宛名・本文に相手の会社名と役職を入れ、「なぜあなたに送ったのか」を中期経営計画やプレスリリースなど相手の情報をもとに具体的に書きます。送付後3〜5日でテレアポやメールでフォローする「手紙+電話」の組み合わせが効果的です。
よくある失敗:印刷したチラシを大量送付し、開封されずに捨てられる。手紙は「量」ではなく「1通の濃さ」で勝負する施策です。
19. パートナー・代理店販売
販売代理店、コンサルティング会社、システムインテグレーター、補完関係にある製品の提供企業などと提携し、パートナーの顧客基盤を通じて販売する施策です。自社の営業リソースを増やさずに販路を広げられる反面、立ち上げには時間がかかります。
- 向いている企業:全国・多業種に販売したい企業、既存の商流(代理店網・SIer)が強い業界、他社製品と組み合わせて使われる商材
- 主なKPI:パートナー数、アクティブなパートナーの比率、パートナー経由の商談数・受注額
成果を出すポイント:パートナー契約を結ぶだけでは売れません。パートナーにとっての「売りやすさ」(営業資料・トークスクリプト・勉強会)と「売るメリット」(報酬・自社サービスとの相乗効果)を用意し、最初は少数の重点パートナーと成功事例をつくることに集中しましょう。
よくある失敗:パートナー数を増やすことが目的化し、契約しただけで一度も案件が出ない「休眠パートナー」ばかりになる。
▶ 関連記事:パートナーマーケティングとは?基礎から徹底解説
【リード育成フェーズ】検討度を高めて商談に引き上げる施策4選
獲得したリードのうち、すぐに商談になるのはごく一部です。前述の95-5ルールのとおり、大半は「今は買わないが、将来買う可能性がある」企業です。このフェーズでは、今すぐ客でないリードとの関係を保ち、検討のタイミングが来たときに最初に思い出してもらうことを目指します。
リードナーチャリングの全体像はリードナーチャリングとは?見込み客を商談につなげる仕組みと実践5ステップで詳しく解説しています。
20. メールマーケティング(メルマガ・ステップメール)
獲得したリードに対して、定期的なメールマガジンや、行動に応じたステップメールを配信する施策です。ハウスリストに低コストで繰り返し接触できる、育成フェーズの基本施策です。
Benchmark Emailのデータでは、日本のメールの平均開封率は33.74%、クリック率は1.30%となっています(Benchmark Email, 2026年版)。
- 向いている企業:ハウスリストが数百件以上ある企業。検討期間が長い商材
- 主なKPI:開封率、クリック率、メール経由の資料DL・ウェビナー申込・商談数、配信停止率
成果を出すポイント:BtoBのメルマガは「お知らせ」ではなく「読者の仕事に役立つ情報」を届けることで開封され続けます。また、リード全員に同じメールを送るのではなく、業種・役職・ダウンロードした資料などでセグメントを分けるだけで反応率は改善します。休眠リード向けに「〇〇の最新動向」「新しい事例」などを送り、反応した人をインサイドセールスがフォローする仕組みも有効です。
よくある失敗:月1回のメルマガが新機能の告知ばかりになり、開封率が下がり続ける。
▶ 関連記事:BtoBメールマーケティングとは?開封率・クリック率の目安と実践5ステップ/休眠リードの掘り起こしとは?
21. MA(マーケティングオートメーション)
MAツールを使って、リードのWeb行動やメールの反応を記録し、スコアリングや自動メール配信によって「検討度が高まったリード」を見つけ出す施策です。リードが数千件を超えると、人の手だけで全員の状況を把握するのは不可能になるため、MAが威力を発揮します。
- 向いている企業:リードが1,000件以上あり、今後も継続的に増える企業。インサイドセールスの体制がある、または作る予定の企業
- 主なKPI:MQL(マーケティングが商談化の見込みありと判断したリード)数、MQLからの商談化率、スコア別の商談化率
成果を出すポイント:MAツールの導入前に、「どんな状態のリードを営業に渡すか(MQLの定義)」をマーケと営業で合意することが最重要です。たとえば「料金ページを閲覧+事例資料をDL+従業員50名以上」のように、具体的な行動と属性で定義し、実際の商談化率を見ながら毎月見直します。
よくある失敗:高機能なMAを導入したものの、使っているのはメール一斉配信だけ。シナリオやスコアリングを設計・運用する担当者がいないまま導入すると、高価なメール配信ツールになってしまいます。
▶ 関連記事:MAツールとは?主な機能・選び方・導入5ステップ/リードスコアリングとは?/MQLとSQLの違いとは?
22. インサイドセールス(SDR・BDR)
電話・メール・オンライン会議などで、獲得したリードと会話をして課題を聞き、商談の機会を創出する専任の役割・施策です。問い合わせなどの反響に対応するSDR(Sales Development Representative)と、狙った企業に新規でアプローチするBDR(Business Development Representative)に分けられます。マーケティングと営業をつなぐ要となる施策です。
HubSpot Japanの調査では、国内企業のインサイドセールスの導入率は39.5%で、2021年以降ほぼ横ばいとなっています(HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」)。まだ導入していない企業にとっては差別化の余地がある施策ともいえます。
- 向いている企業:リードはあるのに商談が少ない企業、フィールドセールスが新規開拓とリード対応を兼務して手が回っていない企業
- 主なKPI:リード対応速度、コンタクト率、商談化数・商談化率、商談からの受注率(商談の質)
成果を出すポイント:最も効くのは「スピード」です。Harvard Business Reviewに掲載された調査では、問い合わせに1時間以内に対応した企業は、それ以降に対応した企業に比べて見込み客化できる可能性が約7倍高いと報告されています(Harvard Business Review, 2011)。国内でも、インサイドセールスで成果を出している企業の60.3%が60分以内に架電しているという調査があります(MarkeZine, 2024年)。
よくある失敗:アポ数だけを評価指標にし、受注につながらない商談が増えてフィールドセールスとの関係が悪化する。商談の質も含めて評価しましょう。
▶ 関連記事:インサイドセールスとは?SDR・BDRの違いから立ち上げ手順・KPI設計まで/リードレスポンスタイムとは?「5分以内」の初動対応が商談化率を高める根拠/AI SDRとは?
23. 導入事例コンテンツ
実際に自社のサービスを導入した顧客に取材し、導入前の課題・選定理由・導入後の成果を記事や資料にまとめる施策です。検討の最終段階で「自社でも成果が出るか」という不安を解消する、BtoBで最も効果の高いコンテンツの一つです。
前述のIDEATECHの調査では、発注の決め手として「自社と似た規模の企業の事例」を挙げた人が44.3%にのぼります(Web担当者Forum, 2026年4月)。
- 向いている企業:すべてのBtoB企業。特に新しいカテゴリの商材や、導入効果がイメージしにくい無形商材
- 主なKPI:事例ページの閲覧数、事例閲覧者の商談化率、営業での事例の利用回数
成果を出すポイント:事例は「業種」「企業規模」「課題」の3軸で幅広く揃えることが重要です。見込み顧客は「自社と似た会社」の事例を探しているからです。記事には必ず定量的な成果(工数〇時間削減、リード数〇倍など)と、「なぜ他社ではなく自社を選んだか」を入れましょう。営業資料・メルマガ・広告など、あらゆる施策に転用できます。
よくある失敗:顧客に取材を依頼しにくく、事例が数年前のものから増えない。契約時に事例協力の相談をしておく、カスタマーサクセスの定例で依頼するなど、仕組みで集めましょう。
▶ 関連記事:BtoB導入事例記事作成ガイド|記事フォーマット付き
【商談化・受注フェーズ】商談の質と受注率を高める施策4選
リードや商談の数が増えても、受注率が低ければ売上は伸びません。このフェーズでは、受注確度の高い企業に集中し、商談を勝ち切るための仕組みをつくります。Forresterの2026年の調査では、BtoBの購買には社内で平均13人、社外で9人が関与するとされており(Forrester, 2026)、担当者1人を説得するだけでは受注できない時代になっています。
「リードは増えたのに商談・受注が伸びない」という課題を抱えている場合は、商談化診断マトリクスや商談化率とは?計算方法・平均の目安と改善施策もあわせてご覧ください。
24. ABM(アカウントベースドマーケティング)
自社にとって価値の高いターゲット企業(アカウント)を選定し、その企業ごとに最適化したマーケティング・営業活動を集中的に行う施策です。「広く集めて絞り込む」のではなく、「最初から狙う企業を決めて深く攻める」アプローチです。
ITSMAなどの調査では、ABMを実施している企業の77%が「ABMは他のマーケティング施策より10%以上高いROIを生んでいる」と回答しています(MediaPost)。
- 向いている企業:エンタープライズ(大手企業)向けの高単価商材、ターゲット企業の数が限られている商材、既存の大口顧客でアップセルを狙う企業
- 主なKPI:ターゲット企業内の接点人数・部署数、エンゲージメント(サイト訪問・イベント参加)、ターゲット企業からの商談数・受注額
成果を出すポイント:ABMは「マーケティング施策」ではなく「マーケと営業の共同プロジェクト」です。①ターゲット企業リストの選定、②企業ごとの組織図・キーパーソン・課題仮説の整理(アカウントプランの作成)、③手紙・広告・イベント・営業接触を組み合わせたアプローチ、を両部門で一緒に進めます。まずは10〜30社の小さな規模から始めるのがおすすめです。
よくある失敗:ターゲットリストを数千社に広げてしまい、結局は「一斉配信」と変わらなくなる。
▶ 関連記事:ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?進め方5ステップとKPI設計/アカウントプランニングとは?/エンタープライズ営業とは?/マルチスレッド営業とは?
25. インテントデータ・訪問企業解析
自社サイトを訪問している企業の特定(IPアドレスからの企業判別)や、外部サイトでの閲覧・検索の傾向(インテントデータ)をもとに、「今まさに検討を始めた企業」を見つけてアプローチする施策です。問い合わせをしてこない「静かな検討企業」を可視化できるのが最大の価値です。
- 向いている企業:サイト流入がある程度あるのに問い合わせが少ない企業、ABMやアウトバウンドの優先順位を上げたい企業
- 主なKPI:検知した検討企業数、アプローチ後のアポ率・商談化率
成果を出すポイント:データを見るだけでは成果は出ません。たとえば「料金ページを3回以上閲覧したターゲット企業」をインサイドセールスに毎朝通知し、その日のうちに手紙・電話・広告でアプローチする、というように「どのシグナルで、誰が、何をするか」の運用ルールまで決めることが重要です。
よくある失敗:ツールを導入したものの、営業が毎日データを確認する習慣が定着せず、使われなくなる。
▶ 関連記事:インテントセールスとは?インテントデータを活用したBtoB営業の始め方/ファーストパーティデータとは?
26. セールスイネーブルメント(営業資料・トーク・商談の型化)
営業資料、トークスクリプト、提案書のテンプレート、競合との比較資料(バトルカード)、商談録画の共有、ロープレなどを通じて、営業組織全体の受注率を底上げする施策です。トップ営業の勝ちパターンを組織の型にすることで、属人化を解消します。
- 向いている企業:営業担当者によって受注率に大きな差がある企業、営業組織を拡大中の企業、新人の立ち上がりに時間がかかっている企業
- 主なKPI:商談ステージごとの移行率、受注率、新人の初受注までの期間、商談期間
成果を出すポイント:まずは失注・受注した商談を振り返り(ウィンロス分析)、「なぜ勝ったのか・なぜ負けたのか」を言語化することから始めましょう。その結果をもとに、営業資料や反論への切り返しトークを更新し続けることが重要です。マーケティングが作ったコンテンツ(事例・ホワイトペーパー)を営業が商談で使える形に整えることも、イネーブルメントの重要な役割です。
よくある失敗:立派なプレイブックを作ったものの、現場で使われず形骸化する。現場の営業を巻き込んで作り、使われ方を定期的に確認しましょう。
▶ 関連記事:セールスイネーブルメントとは?/BtoB営業資料の作り方とは?/セールスバトルカードとは?/ウィンロス分析とは?
27. 無料トライアル・デモ・PoC
製品を実際に使ってもらう無料トライアル、オンラインデモ、本番に近い環境で効果を検証するPoC(概念実証)など、導入前に価値を体験してもらう施策です。「本当に自社で使えるのか」「効果が出るのか」という購買の最終障壁を取り除きます。
- 向いている企業:SaaS・ITツール、効果検証が必要な高単価商材、競合と機能面で比較されやすい商材
- 主なKPI:トライアル開始数、アクティブ化率(主要機能を使った割合)、トライアルからの有料転換率
成果を出すポイント:トライアルを「申し込んだら放置」にしないことが最も重要です。開始直後のオンボーディング、利用状況に応じたサポートの連絡、終了前の振り返り商談をセットで設計しましょう。PoCの場合は、開始前に「何が達成できたら本導入するか」という成功基準を顧客と合意しておくことで、ずるずると検証が長引くのを防げます。
よくある失敗:トライアル申込者の多くが初日にログインしただけで終わり、価値を体験しないまま期限が切れる。
▶ 関連記事:PLG(プロダクトレッドグロース)とは?/ミューチュアルアクションプラン(MAP)とは?
【維持・拡大フェーズ】既存顧客からLTVと紹介を生み出す施策3選
BtoBマーケティングは「受注して終わり」ではありません。Bain & CompanyのFrederick Reichheld氏の研究によると、顧客維持率を5%改善すると、利益は25〜95%向上するとされています(Harvard Business Review, 2014)。新規獲得の施策ばかりに予算を使い、既存顧客への施策が手薄になっていないか、必ず確認しましょう。
28. カスタマーサクセス
導入後の顧客が成果を出せるように、オンボーディング(立ち上げ支援)、定期的な活用支援、課題のヒアリングなどを能動的に行う施策です。解約を防ぐだけでなく、アップセル・クロスセル、導入事例、レビュー、紹介を生み出す起点になります。
- 向いている企業:SaaSなどのサブスクリプション型ビジネス、継続取引が前提の商材、解約率の高さが課題の企業
- 主なKPI:解約率(チャーンレート)、NRR(売上継続率)、ヘルススコア、NPS、アップセル額
成果を出すポイント:顧客の利用状況から「解約の兆候」(ログイン頻度の低下、担当者の異動など)を早期に検知する仕組みをつくりましょう。また、すべての顧客に同じ手厚さで対応するのではなく、契約規模に応じてハイタッチ(個別対応)・ロータッチ(勉強会など)・テックタッチ(メール・ヘルプページ)を使い分けると、少人数でも運用できます。
よくある失敗:問い合わせ対応(カスタマーサポート)と同じ「受け身」の運用になってしまい、解約の申し出を受けてから初めて課題を知る。
▶ 関連記事:カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違い・重要KPI・立ち上げ5ステップ/カスタマーマーケティングとは?/NPSとは?BtoBでの測り方
29. ユーザー会・コミュニティ
既存顧客同士が集まり、活用ノウハウや成功事例を共有する場(ユーザー会・オンラインコミュニティ)をつくる施策です。顧客の活用度とロイヤルティが高まるだけでなく、熱量の高い顧客が自社の「推奨者」になり、事例・紹介・レビューの供給源になります。
- 向いている企業:顧客数が一定以上(目安として数十社以上)ある企業、製品の活用度で成果が大きく変わる商材
- 主なKPI:参加社数・継続参加率、参加企業の解約率・アップセル率(非参加企業との比較)、コミュニティ経由の事例・紹介数
成果を出すポイント:主役は自社ではなく顧客です。自社の製品説明会ではなく、顧客が登壇して自社の取り組みを語る場にすると、参加者の満足度が高まり、登壇した顧客にとっても社内外へのアピールになります。見込み顧客を招待して、既存顧客の生の声を聞いてもらう場として活用する方法もあります。
よくある失敗:初回は盛り上がったものの、運営の負荷が高く、2回目以降が続かない。年間の開催計画と運営体制を最初に決めておきましょう。
30. リファラル(顧客紹介制度)
既存顧客や取引先から、新しい見込み顧客を紹介してもらう施策です。紹介報酬や特典を設けて制度化することで、偶発的な紹介を継続的な獲得チャネルに変えられます。
Nielsenの調査では、最も信頼される情報源は「知人からの推奨」で、89%が信頼すると回答しています(Nielsen Trust in Advertising, 2021)。紹介経由の商談は最初から信頼がある状態で始まるため、商談化率・受注率ともに他チャネルより高くなりやすい傾向があります。
- 向いている企業:顧客満足度が高い企業、業界内のつながりが強い業種、経営者同士の紹介が起きやすい中小企業向け商材
- 主なKPI:紹介件数、紹介経由の商談化率・受注率、紹介してくれた顧客の数
成果を出すポイント:紹介は「お願いのタイミング」と「紹介のしやすさ」で決まります。導入効果が出た直後やNPSで高い評価をもらった直後に依頼する、紹介用の1枚資料や紹介文のテンプレートを用意する、といった工夫で紹介数は大きく変わります。紹介した側・された側の両方に特典を用意する「双方向インセンティブ」にすると、紹介する側の心理的なハードルも下がります。
よくある失敗:紹介制度をつくっただけで、顧客に一度も案内していない。制度は「知られて」「思い出されて」初めて機能します。
▶ 関連記事:BtoBリファラルマーケティングとは?ツールや仕組み、事例を徹底解説
自社に合うBtoBマーケティング施策を選ぶ5ステップ
30の施策を紹介しましたが、すべてに取り組む必要はありません。むしろ、リソースが限られる中で施策を広げすぎることが、BtoBマーケティングが失敗する最大の原因です。ここでは、Semuisが支援の現場で実際に使っている施策選定の手順を紹介します。
ステップ1:誰に売るのか(ICP)を決める
最初に決めるべきは施策ではなく、「どんな企業に売るのか」です。ICP(Ideal Customer Profile:理想の顧客像)として、業種・従業員規模・地域・抱えている課題・導入のきっかけなどを定義します。既存顧客の中で「受注までが早く、単価が高く、継続している企業」の共通点を洗い出すのが近道です。
ICPが決まれば、「その企業の担当者はどこで情報収集しているか」がわかり、使うべき施策が自然と絞られます。たとえば、製造業の工場長がターゲットなら展示会と業界紙、IT企業のマーケティング責任者ならSEOとSNSとウェビナー、といった具合です。
▶ 関連記事:BtoBマーケティングのペルソナ設計とは?/カスタマージャーニーマップとは?BtoB版の作り方5ステップ/バリュープロポジションとは?
ステップ2:売上目標からファネルの数字を逆算する
次に、売上目標から「必要な受注数→商談数→リード数」を逆算します。たとえば次のような計算です(数値は一例)。
月間の新規受注目標:5件
↑ 商談からの受注率 20% → 必要な商談数:25件
↑ リードからの商談化率 10% → 必要なリード数:250件
このように数字を置くと、「リードが足りないのか」「リードはあるが商談化率が低いのか」「商談はあるが受注率が低いのか」がはっきりします。
ステップ3:ボトルネックのフェーズを特定する
ファネルの中で、目標と実績の差が最も大きいフェーズがボトルネックです。施策はボトルネックのフェーズから選ぶのが鉄則です。
- リードが足りない → 認知・リード獲得・アウトバウンドの施策(No.1〜19)
- リードはあるが商談にならない → リード育成の施策(No.20〜23)
- 商談はあるが受注できない → 商談化・受注の施策(No.24〜27)
- 受注しても解約される・広がらない → 維持・拡大の施策(No.28〜30)
よくあるのが、本当のボトルネックは商談化率なのに、リード獲得の施策ばかり増やしてしまうケースです。穴の開いたバケツに水を注いでも、水は溜まりません。
ステップ4:「効果×速さ×実行可能性」で3つに絞る
ボトルネックのフェーズの施策から、①期待できるインパクト、②成果が出るまでの速さ、③今の社内リソースで実行できるか、の3つの観点で評価し、最初に取り組む施策を3つまでに絞ります。おすすめは、短期で成果が出る施策(広告・アウトバウンド・LPOなど)と、中長期で効いてくる資産型の施策(SEO・事例・ホワイトペーパーなど)を組み合わせることです。
ステップ5:90日単位で検証し、続けるか切り替えるかを判断する
施策を始める前に、「90日後にどの数字がどうなっていれば継続するか」という判断基準を決めておきます。BtoBは検討期間が長いため、受注数だけで判断すると評価が遅れます。先行指標(CVR、商談化率、返信率など)で早めに当たり外れを見極め、成果の出ない施策は勇気を持って切り替えましょう。
施策の効果を正しく判断するには、リードから受注までのデータが一つにつながっていることが前提です。データ基盤についてはSFA(営業支援システム)とは?や営業パイプライン管理とは?、組織横断の仕組みについてはRevOps(レベニューオペレーションズ)とは?で詳しく解説しています。
【状況別】最初に取り組むべき施策の組み合わせ5パターン
ここでは、Semuisへのご相談で特に多い5つの状況別に、最初に取り組むべき施策の組み合わせを紹介します。自社に近いパターンを参考にしてください。
パターン1:立ち上げ期のスタートアップ(マーケ担当1人・月予算30万円未満)
おすすめ施策:ソーシャルセリング(No.4)+フォーム営業・テレアポ(No.16・17)+LPO(No.15)+導入事例(No.23)
認知がゼロの段階では、SEOのように時間のかかる施策の成果を待つ余裕はありません。まずはアウトバウンドで狙った顧客と直接話し、どんな課題に、どんな言葉が刺さるかを学ぶことが最優先です。そこで得た「刺さる言葉」をLPと経営者のSNS発信に反映し、最初の顧客の成功事例を早くつくりましょう。無料でできる施策については無料ではじめるBtoB Webマーケティング施策11の打ち手も参考になります。
パターン2:展示会と紹介が頼みの製造業・専門商社
おすすめ施策:展示会のフォロー改善(No.13)+ホワイトペーパー(No.10)+SEO(No.1)+メールマーケティング(No.20)
展示会で獲得した大量の名刺が「眠っている」ケースが非常に多い業界です。まずは展示会リードのランク付けと翌日フォローの仕組みを整えるだけで、追加コストなく商談が増えます。そのうえで、技術資料や選定ガイドをホワイトペーパー化し、技術用語でのSEOとメルマガで、展示会と展示会の間も接点を保つ仕組みをつくりましょう。
パターン3:リードはあるのに商談にならないSaaS企業
おすすめ施策:インサイドセールス(No.22)+MA・スコアリング(No.21)+インテントデータ(No.25)+導入事例(No.23)
リード獲得の施策を増やす前に、獲得したリードへの対応スピードと優先順位付けを見直します。MQLの定義をマーケと営業で合意し、検討度の高いリードに1時間以内に連絡できる体制をつくるだけで、商談数が大きく変わることは珍しくありません。業種・規模別の事例をそろえ、インサイドセールスがリードの状況に合わせて送れるようにしておくと効果的です。
パターン4:大手企業との取引を増やしたい企業
おすすめ施策:ABM(No.24)+手紙・DM(No.18)+インテントデータ(No.25)+セールスイネーブルメント(No.26)
大手企業は、問い合わせを待っていてもなかなか来ません。ターゲット企業を10〜30社に絞り、企業ごとにキーパーソンと課題仮説を整理したうえで、決裁者への手紙と、検討シグナルを捉えたタイミングでのアプローチを組み合わせます。大手の購買は関係者が多いため、稟議を通すための資料やROIの試算など、担当者が社内を説得するための材料を用意することも重要です。
▶ 関連記事:BtoB営業の稟議対策とは?/バイヤーイネーブルメントとは?
パターン5:既存顧客は多いが新規獲得が伸び悩む企業
おすすめ施策:カスタマーサクセス(No.28)+リファラル(No.30)+レビューサイト(No.7)+ユーザー会(No.29)
満足している既存顧客は、最も強力なマーケティング資産です。カスタマーサクセスで顧客の成果を可視化し、満足度の高い顧客に紹介・レビュー・事例取材を依頼する流れを仕組み化しましょう。新規獲得の効率が上がるだけでなく、アップセルによる売上拡大も期待できます。
BtoBマーケティング施策が成果につながらない5つの落とし穴
最後に、数多くの企業を支援する中で見えてきた、施策が失敗する企業の共通点を紹介します。
落とし穴1:「施策」から考え、戦略がない
「競合がやっているからウェビナーを始める」「流行っているからLLMO対策をする」というように、施策から考えてしまうケースです。誰に・何を・どう伝えるかという戦略がないまま施策を始めると、どの施策も中途半端に終わります。戦略が先、施策は後です。
落とし穴2:マーケのゴールが「リード数」で止まっている
マーケティング部門がリード数、営業部門が受注数をそれぞれ追っていると、「マーケは質の低いリードを渡す」「営業はリードをフォローしない」という対立が生まれます。マーケティングの評価指標を商談数や受注貢献まで伸ばし、営業と共通の目標を持つことが重要です。
落とし穴3:同時に手を広げすぎる
5つも6つも施策を同時に始めると、どれも十分なリソースを割けず、成果が出る前に担当者が疲弊します。また、どの施策が効いたのかもわからなくなります。最初は3つまでに絞りましょう。
落とし穴4:撤退・継続の判断基準がない
「なんとなく続けている施策」が予算を圧迫しているケースは少なくありません。逆に、SEOのように成果が出るまで時間がかかる施策を3か月で打ち切ってしまうケースもあります。施策ごとに先行指標と判断のタイミングを事前に決めておきましょう。
落とし穴5:データがつながっていない
広告・MA・SFA・スプレッドシートにデータが散らばっていると、「どの施策から生まれたリードが受注したのか」がわからず、正しい投資判断ができません。高価なツールでなくても構わないので、リードの獲得元から受注までを一気通貫で追える状態をつくることが、すべての施策の効果を高める土台になります。
▶ 関連記事:失注分析とは?失注理由の分類方法と受注率改善につなげる実践5ステップ/THE MODEL(ザ・モデル)とは?
BtoBマーケティング施策に関するよくある質問
Q. BtoBマーケティングで最初に取り組むべき施策は何ですか?
A. 自社の状況によって異なりますが、多くの企業に共通しておすすめできるのは「LPO・EFO(No.15)」と「導入事例コンテンツ(No.23)」です。どちらも今あるサイト流入や顧客という資産を活かせるため低コストで、その後に取り組むすべての施策の成果を底上げします。そのうえで、前述の5ステップでボトルネックを特定し、施策を選んでください。
Q. 予算が少ない場合、どの施策から始めればよいですか?
A. 費用がほとんどかからない施策としては、ソーシャルセリング(No.4)、企業SNS運用(No.3)、フォーム営業(No.17)、メールマーケティング(No.20)、リファラル(No.30)などがあります。お金の代わりに時間がかかるため、継続できる体制をつくることがポイントです。詳しくは無料ではじめるBtoB Webマーケティング施策11の打ち手をご覧ください。
Q. BtoBとBtoCでマーケティング施策はどう違いますか?
A. BtoBは、①購買の意思決定に複数人が関わる、②検討期間が長い、③合理的な判断(費用対効果)が重視される、という特徴があります。そのため、BtoCのように1回の広告接触で購入を促すのではなく、長い検討期間の中で、複数の関係者に役立つ情報を届け続け、営業と連携して商談を前に進める施策設計が必要になります。
Q. 施策の効果はどのように測定すればよいですか?
A. 施策ごとの直接的な指標(CVR、開封率など)に加えて、その施策から生まれた商談数・受注額まで追うことが重要です。そのためには、リードの獲得元をCRMやSFAに記録し、商談・受注と紐づける仕組みが必要です。BtoBは複数の施策に触れてから受注に至ることが多いため、「最初の接点」と「商談化直前の接点」の両方を記録しておくと、施策の貢献を正しく評価しやすくなります。
Q. 施策は内製と外注、どちらがよいですか?
A. 戦略設計やターゲットの理解、顧客との関係づくりなど自社の競争力の源泉になる部分は内製、記事制作・広告運用・リスト作成など専門性や作業量が必要な部分は外注、という切り分けが一般的です。ただし、立ち上げ期で社内にノウハウがない場合は、戦略から伴走してくれるパートナーと一緒に進め、徐々に内製化していく方法も有効です。支援会社の選び方はBtoBマーケティング支援会社30社比較|得意分野別の選び方で詳しく解説しています。
まとめ:30の施策から「自社の3つ」を選び、マーケと営業をつなげよう
本記事では、BtoBマーケティング・営業の施策30個を、認知・リード獲得・アウトバウンド営業・リード育成・商談化・維持拡大の6つのフェーズに分けて紹介しました。
改めて重要なポイントを振り返ります。
- 買い手は営業に会う前に候補を絞り込んでいる。「比較される前」に届く施策が欠かせない
- 今すぐ買う企業は市場の5%。獲得施策と、認知・育成施策を両輪で設計する
- 生成AIが情報収集の入口に。AIにも人にも信頼される一次情報の発信が重要になっている
- 施策はボトルネックのフェーズから3つまでに絞り、90日単位で検証する
- マーケと営業の目標・データをつなぎ、リード数ではなく商談・受注で評価する
施策の「正解」は、企業ごとに異なります。大切なのは、多くの選択肢を知ったうえで、自社のターゲットと状況に合った施策を選び、検証と改善を続けることです。本記事が、その第一歩のお役に立てば幸いです。
「どの施策から始めるべきか」を、30分の無料相談で一緒に整理しませんか?
Semuis(セムイス)は、本記事で紹介した30の施策の中から、貴社の状況に合った施策の組み合わせを設計し、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスを横断して実行まで伴走するBtoBマーケティング・営業支援サービスを提供しています。施策が合わなければ、別の施策に柔軟に切り替えられるのも特長です。
- SaaS企業(従業員15名):月間の新規商談数 5件 → 22件
- 産業機器メーカー(従業員80名):展示会リードの商談化率 8% → 31%
- オンラインアシスタント「タスカル」(Colors様):リード数1.6倍、累計600社の受注(事例を見る)
支援は月額5万円〜。戦略の壁打ちだけ、特定の施策だけといったご相談も歓迎です。
参考文献・出典
- 6sense「2025 Buyer Experience Report」
- Gartner「Gartner Sales Survey Finds 61% of B2B Buyers Prefer a Rep-Free Buying Experience」(2025年6月)
- Forrester「The State of Business Buying, 2026」
- Marketing Week「The 95-5 rule」(LinkedIn B2B Institute、2021年)
- Harvard Business Review「The Short Life of Online Sales Leads」(2011年)
- Harvard Business Review「The Value of Keeping the Right Customers」(2014年)
- HubSpot Japan BtoB購買行動調査(2026年7月)
- HubSpot Japan「日本の営業に関する意識・実態調査2026」
- ワンマーケティング BtoB購買担当者調査(2025年11月)
- IDEATECH BtoB購買決裁者の生成AI利用調査(2026年7月)
- Web担当者Forum(IDEATECH調査、2026年4月)
- トライベック BtoBユーザーのAI検索利用調査(2026年)
- Demand Gen Report(G2調査、2026年)
- Ask One 展示会フォローに関する調査(2026年5月)
- MarkeZine(IDEATECH インサイドセールス調査、2024年)
- Benchmark Email「メールマーケティングベンチマーク」
- MarketingProfs(ON24ウェビナーベンチマーク、2025年)
- MediaPost(ITSMA ABM調査)
- Nielsen「Trust in Advertising 2021」
- ITreview 媒体資料

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
