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東京都のDXリスキリング助成金とは?助成率3/4・上限100万円と申請手順5ステップ【2026年度】

2026.10.16

  • リスキリング

「社員にDX研修を受けさせたいが、費用がネックになっている」。そんな東京都内の中小企業に知ってほしいのが、東京都(公益財団法人東京しごと財団)のDXリスキリング助成金です。従業員向けのDX関連研修の経費の4分の3、1社あたり年間最大100万円まで助成される制度で、2026年度(令和8年度)も募集が行われています。本記事では、助成率・上限額・対象研修の要件から申請手順まで、人事・経営者の実務目線で解説します。

DXリスキリング助成金とは

DXリスキリング助成金とは

DXリスキリング助成金は、都内の中小企業等が従業員に対して行うDX(デジタルトランスフォーメーション)関連研修の経費を助成する、東京都の制度です。実施主体は公益財団法人東京しごと財団で、スキルアップ助成金の一つとして運用されています。

対象となるのは、都内に本社または事業所を置く中小企業や個人事業主で、業種ごとの資本金・従業員数の基準を満たすことが必要です(大企業が実質支配する「みなし大企業」は対象外)。労働関係法令の遵守や都税の未納がないことなど、申請から実績報告までの間、継続して満たすべき要件も定められています。

背景には、中小企業のDXが「ツールを導入したものの、使いこなせる人材がいない」段階で止まりやすいという課題があります。生成AIの業務活用が一気に広がった今、経営層から現場までのデジタルリテラシー底上げは待ったなしのテーマです。本助成金は、1回3時間からの短時間研修に使えるため、「まずは一歩目の研修から」という企業にとって使い勝手のよい制度といえます。

国の人材開発支援助成金と比べると、「短時間の研修から使いやすい」「都内中小企業に特化している」「賃金助成はないが経費助成率が高い」点が特徴です。国の制度との違いは人材開発支援助成金「人材育成支援コース」の解説記事も参考にしてください。

助成率・上限額と対象経費

助成率・上限額と対象経費

公開情報に基づく助成内容の骨子は次のとおりです。

  • 助成率:助成対象経費の4分の3(75%)
  • 上限額:受講者1人・1訓練あたり75,000円、1社あたり年間100万円
  • 対象経費:受講料、教材費、登録料・管理費など(オーダーメイド型では企画のヒアリング費・会場費も対象になり得ます)
  • 対象外の経費:パソコン等の機器代、通信費、飲食費、交通費、消費税、振込手数料など

簡単な試算をしてみましょう。受講料8万円(税抜)の生成AI活用研修を10名が受講した場合、1人あたりの助成額は「8万円×3/4=6万円」で上限75,000円の範囲内に収まるため、助成額は6万円×10名=60万円。企業の実質負担は約20万円まで圧縮されます。受講料12万円の研修なら1人あたり9万円ではなく上限の75,000円が適用される、という考え方です。

注意したいのは支払い方法です。経費は法人(事業主)口座からの銀行振込で支払う必要があり、クレジットカード払い・現金払い・個人の立替払いは対象外とされています。研修申し込みの前に、支払いフローも含めて社内で確認しておきましょう。

対象となる研修と事業者の要件

対象となる研修と事業者の要件

対象となる研修は、自社のDX推進を目的とした内容で、次の2タイプに分かれます。

  • 既製型(レディメイド)研修:教育機関等が広く提供する公開講座。対面・ライブ配信・eラーニングのいずれも対象
  • オーダーメイド型研修:自社向けに教育機関へ委託して実施する研修。対面・ライブ配信が対象(eラーニング形式は不可)

いずれも総研修時間はおおむね3時間以上10時間以下の短時間研修が対象で、総時間の8割以上の受講が必要です(既製型は受講証明書、オーダーメイド型は受講者本人が自署する出席簿で確認)。また、定額制・サブスクリプション型の学び放題サービスや、関係会社が実施する研修は対象外とされています。細かな要件は年度の募集要項で必ず確認してください。

「DX関連研修」としてイメージしやすいテーマの例を挙げると、次のようなものがあります(実際の対象可否は研修内容と募集要項の基準によります)。

  • 生成AI・ChatGPTなどのAIツールを業務で安全に使うためのリテラシー研修
  • Excel・BIツールを使ったデータ分析、データドリブン経営の基礎研修
  • RPA・ノーコードツールによる業務自動化の実践研修
  • 情報セキュリティ、クラウドサービス活用、DX推進リーダー育成研修

社内の誰に・どのレベルの研修を受けさせるかを決める際は、「全社員向けのDXリテラシー」と「推進人材向けの専門スキル」を分けて考えるのが定石です。

研修テーマの設計に迷ったら、経済産業省・IPAの「デジタルスキル標準」をものさしにするのがおすすめです。デジタルスキル標準(DSS)の解説記事や、無料教材を集めたマナビDXの解説記事もあわせてご覧ください。

申請手順5ステップ

申請手順5ステップ

2026年度の申請受付は2026年3月1日〜2027年2月28日、対象となる研修は2026年4月1日〜2027年3月31日に開始し、2027年8月31日までに終了するものです。申請の流れは次の5ステップです。

  1. 研修の選定と見積もり:要件(3〜10時間・DX関連・教育機関の証明可否)を満たす研修を選び、経費を確定する
  2. 交付申請:原則として研修開始予定日の1か月前までに申請。電子申請(デジタル庁のJグランツ)が推奨で、利用にはGビズIDプライムアカウントが必要。紙申請(郵送)も可能
  3. 交付決定:決定通知を受けてから研修を開始。内容に変更が生じる場合は事前に変更承認申請を行う
  4. 研修の実施:受講率8割以上を満たし、受講証明書・出席簿など実績書類を確保する
  5. 実績報告と助成金の請求:研修終了後2か月以内に実績報告を提出し、額の確定後に請求・受領

GビズIDプライムの発行には日数がかかる場合があるため、電子申請を予定するなら早めに取得しておくとスムーズです。年度途中でも予算の上限に達すると受付が締め切られる可能性がある点にも注意しましょう。なお、例外として2026年4月1日〜4月14日に開始する研修については、2026年3月15日まで申請が受け付けられるとされています。交付決定後の撤回は、交付決定日から14日を経過するとできなくなる点も覚えておくと安心です。

申請時には、申請書のほか、研修の内容・時間数がわかるパンフレットや受講予定者の名簿などが必要になるのが一般的です。研修提供元(教育機関)に「受講証明書の発行が可能か」「研修時間の内訳を示す資料があるか」を事前に確認しておくと、書類準備がスムーズに進みます。不明点は、東京しごと財団のスキルアップ助成金事務局(平日9時〜17時、12時〜13時を除く)に問い合わせできます。

活用のポイントと注意点

活用のポイントと注意点

最後に、実務での活用ポイントを整理します。

  • 短時間研修から試せる:3時間からの研修が対象のため、「まず管理職に生成AIリテラシー研修を3時間」といったスモールスタートに向いています
  • 年間100万円の枠を計画的に使う:上限までなら複数回・複数部署の研修に活用可能。年度の研修計画に組み込むと無駄がありません
  • 国の助成金との使い分け:10時間を超える体系的な訓練や賃金助成も受けたい場合は、国の人材開発支援助成金が候補になります。制度全体の比較はリスキリングに使える助成金まとめ【2026年度版】をご覧ください
  • 類似名称の事業と混同しない:東京都には無料の講習とキャリア相談を組み合わせた「DX人材リスキリング支援事業」など別の施策もあります。本助成金とは要件が異なるため、公式ページで制度名を確認しましょう

よくある疑問にも触れておきます。「何回でも使えるのか」については、1社あたりの年間上限100万円の範囲内であれば複数の研修で活用できます。「個人事業主でも使えるのか」については、都内で事業を営む個人事業主も対象に含まれます。「eラーニングは対象か」については、既製型であればeラーニング形式も対象ですが、サブスク型の学び放題サービスは対象外、オーダーメイド型は対面・ライブ配信のみという整理です。

注意点としては、申請期限(研修開始1か月前)を過ぎると受け付けられないこと、サブスク型eラーニングが対象外であること、支払い方法の制限(法人口座からの銀行振込のみ)、実績報告の期限(終了後2か月以内)が挙げられます。本記事の内容は執筆時点の公開情報に基づくものです。最新の募集状況・要件は、東京しごと財団の公式ページおよび募集要項で必ずご確認ください。

Semuisでは、リスキリング・メンタリング支援として、実際の業務を題材にしたマーケティング・AI活用の研修やメンタリングを提供しています。「助成金を使ってどんなDX研修を組めばよいか」「研修後に実務へ定着させたい」といったご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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