Account Engagement(旧Pardot)とは?料金・機能・導入メリットを解説|Salesforce連携に強いBtoB向けMAツール
2026.10.15
- BtoBマーケティング
Salesforceを導入している企業がMA(マーケティングオートメーション)を検討するとき、最初に候補へ挙がるのが「Account Engagement(アカウントエンゲージメント、旧Pardot)」です。SalesforceのCRM/SFAとネイティブに連携できるBtoB向けMAとして広く使われてきました。本記事では、Account Engagementの基本・料金エディション・主な機能に加えて、Adobe Marketo Engage・HubSpot・SATORIとの比較、公開されている活用事例、導入・運用を支援してくれる会社までを、実務者視点で中立的に解説します。
Account Engagement(旧Pardot)とは?SalesforceのBtoB向けMAツール

Account Engagementは、株式会社セールスフォース・ジャパン(Salesforce, Inc.)が提供するBtoB向けのマーケティングオートメーションツールです。2007年に米国で生まれた「Pardot(パードット)」が前身で、2022年に「Marketing Cloud Account Engagement」へ名称変更されました。さらに執筆時点では、Salesforceの製品体系刷新にともない、AIエージェント機能を組み込んだ「Agentforce Marketing」への進化・名称移行が公式に案内されています。本記事では、国内で定着している「Account Engagement(旧Pardot)」の呼称で解説します。

最大の特徴は、Salesforceの営業支援ツール(Sales Cloud)と同一基盤で連携できることです。マーケティングが獲得・育成したリードの行動履歴やスコアを営業がそのままSalesforce上で確認でき、「マーケと営業でデータが分断される」というBtoB企業にありがちな課題を構造的に解消できます。SFA側の基本を押さえたい方はSalesforce Sales Cloudの解説記事もご覧ください。
Account Engagementの料金エディション

Account Engagementには4つのエディションがあります。公開されている料金の目安は以下のとおりです(税抜・年間契約)。
| エディション | 月額(目安) | 主な位置づけ |
|---|---|---|
| Growth | 150,000円 | 基本的なMA機能。まずリード育成を自動化したい企業向け |
| Plus | 330,000円 | 高度な分析・A/Bテストなどを追加。運用が軌道に乗った企業向け |
| Advanced | 528,000円 | AI機能や開発者サンドボックスを含む上位版 |
| Premium | 1,800,000円 | 大規模エンタープライズ向け最上位版 |
いずれも一定数のプロスペクト(見込み客データ)件数を含み、超過分は追加費用が発生します。国産MAと比べると高価格帯ですが、Salesforceとの連携を前提にした機能構成が価格に織り込まれていると考えるとわかりやすいでしょう。※料金は執筆時点の公開情報に基づく目安です。最新の価格・契約条件は必ず公式サイト・販売パートナーでご確認ください。
主な機能|スコアリング・シナリオ設計・Salesforce連携

Account Engagementの主な機能は次のとおりです。
- フォーム・ランディングページ作成:資料請求やセミナー申込のフォーム・LPをノーコードで作成し、リード情報を自動で取り込みます。
- スコアリングとグレーディング:Webページ閲覧やメール開封などの行動に点数を付ける「スコアリング」と、業種・役職など属性の適合度を評価する「グレーディング」の2軸でリードの優先度を判定します。
- Engagement Studio:「メールを開封したら3日後に事例を送る」といった育成シナリオをフローチャート形式で設計・自動実行できます。
- Salesforce連携:リード・商談データが双方向で同期され、マーケ施策が商談・受注にどうつながったかを一気通貫で可視化できます。
- AI機能(Einstein):行動データに基づくスコアリングやキャンペーンインサイトなど、AIによる優先度判定を利用できます(エディションによる)。
類似サービスとの比較|Marketo・HubSpot・SATORIとの違い

BtoB向けMAの検討では、Adobe Marketo Engage・HubSpot Marketing Hub・SATORIがよく比較対象になります。
| サービス | 料金(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| Account Engagement | 月150,000円〜 | Salesforceとのネイティブ連携。営業連携を前提としたBtoB特化型 |
| Adobe Marketo Engage | 非公開(要問い合わせ) | エンゲージメント設計の自由度が高いエンタープライズ向けMA。CRMは外部連携 |
| HubSpot Marketing Hub | Starter月2,400円〜/Professional月96,000円〜 | 無料CRMと一体で小さく始められる。インバウンド施策に強み |
| SATORI | 初期300,000円+月148,000円 | 国産MA。実名化前の匿名リードへのアプローチに強み |
選び分けの軸は明快です。Salesforceを既に使っているならAccount Engagementが第一候補になります。CRM連携の設定・保守コストがほぼ不要で、営業部門への定着もスムーズです。一方、CRMをこれから整備する企業や小規模チームは、無料から始められるHubSpotのほうが立ち上げやすいでしょう。複雑なナーチャリング設計やグローバル展開を見据えるならAdobe Marketo Engage、Webサイトへの匿名アクセスの掘り起こしから始めたい国内企業にはSATORIが適しています。※各社の料金は執筆時点の各社公開情報に基づく目安です。最新は各公式サイトでご確認ください。
導入事例と向いている企業

Salesforce公式ブログでは、Account Engagementを高度に活用した企業を表彰する取り組みが紹介されており、三菱電機株式会社(FAシステム事業本部)、株式会社TalentX、株式会社LayerX(バクラク事業部)といった企業が活用企業として取り上げられています(Salesforce公式ブログ掲載の事例)。製造業の大規模な部門から急成長SaaS企業まで、営業組織とマーケティングの連携を重視する企業で使われていることがわかります。
こうした活用状況を踏まえると、Account Engagementは次のような課題を持つ企業・担当者に向いています。
- Salesforce(Sales Cloud)を導入済みで、マーケティングから営業までデータを一気通貫でつなぎたい
- 展示会・ウェビナー後のフォローが人手頼みで、リードの取りこぼしが起きている
- 営業に渡すリードの基準(ホットリードの定義)が曖昧で、マーケ施策の商談貢献を数字で示せない
- ターゲット企業を絞ったABM(アカウントベースドマーケティング)を進めたい
一方で注意点もあります。国産MAと比べて価格帯が高く、月15万円の投資に見合うリード数・商談単価があるかの試算が必要です。また、スコアリング設計やシナリオ設計には運用体制が必要で、「導入したが使いこなせない」という失敗が起きやすいツールでもあります。Salesforceを使っていない企業では連携メリットが薄れるため、他ツールとの比較をおすすめします。導入時は、初年度に誰がシナリオを設計・運用するのかまで決めてから契約することが重要です。
Account Engagementの運用代行・導入支援会社5選

Account Engagementは設計の自由度が高いぶん、初期設定と運用設計の巧拙が成果を左右します。導入・運用を支援している会社を5社紹介します(掲載順に優劣はありません)。
toBeマーケティング株式会社
Salesforce製品のMA導入・活用支援を専門とする会社で、Account Engagementの初期導入支援から伴走型の活用支援、他MAからの移行支援まで提供しています。公式サイトでは2,000社以上の支援実績がうたわれており、テンプレート提供や活用支援サイト「MAnavi」など支援メニューの厚さが特徴です。
公式サイト:https://tobem.jp/
株式会社カルテットコミュニケーションズ
MA・SFA/CRMなどSalesforce関連ツールの導入・定着・活用支援を提供している会社です。中小企業を中心とした集客支援の実績があり、ツール導入と広告などの集客施策を一気通貫で相談したい企業に向いています。
公式サイト:https://quartet-communications.com/
株式会社セールスイネーブルメント
Salesforceの保守・管理・運用を支援するサービス「アドミンニンジャ」を提供しており、Account Engagementの導入・運用体制づくりの伴走支援にも対応しています。認定アドミンが設定変更やトラブル対応を継続的に支援するため、社内に専任管理者を置けない企業に向いています。
公式サイト:https://salesenablement.co.jp/
株式会社ハレフル
HubSpot・Salesforceの導入支援とシステム開発を手がける会社で、Account Engagementの初期設定支援や運用支援サービスを提供しています。Webサイト制作やシステム開発もあわせて依頼できるため、フォーム・LPまわりの制作と運用を一緒に進めたい企業に向いています。
公式サイト:https://www.harefull.co.jp/
Semuis株式会社(※当メディア運営会社)
BtoBマーケティング・セールス支援として、戦略設計・コンテンツ制作・広告運用・分析基盤づくりを提供しています。MA導入を含むリード獲得から商談化までの全体設計や、ツールを活かすためのシナリオ・コンテンツ側の整備から相談したい企業に向いています。
公式サイト:https://semuis.jp/service/btob-marketing-solution/
※掲載情報は執筆時点の各社公開情報に基づきます。依頼前に各社公式サイトで最新のサービス内容をご確認ください。
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Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
