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Amazon Marketing Cloud(AMC)とは?できること・始め方・活用ノウハウを解説

2026.08.19

  • Amazon

Amazon広告の運用が高度化するなかで、「どの広告がどれだけ売上に貢献しているのか」「DSPとスポンサー広告を併用した効果はどうか」といった横断的な分析ニーズが高まっています。それに応えるのが、Amazonが提供する分析環境「Amazon Marketing Cloud(AMC)」です。本記事では、AMCの基本、できること、始め方、実務での活用ノウハウまでを解説します。

Amazon Marketing Cloud(AMC)とは

Amazon Marketing Cloudとは

Amazon Marketing Cloud(AMC)とは、Amazonが提供する「データクリーンルーム」型の広告分析環境です。データクリーンルームとは、個人を特定できない形に加工(仮名化)されたデータを、安全な環境の中でのみ集計・分析できる仕組みのことです。AMCでは、Amazon広告の接触データと購買データを横断してつなぎ合わせた分析ができ、通常の広告レポートでは見えない「顧客単位の行動のつながり」を集計値として把握できます。

従来、AMCは主にAmazon DSPを利用する大手広告主向けの環境でしたが、Amazon Adsは2025年9月に、スポンサープロダクト広告などのスポンサー広告を運用する広告主も広告コンソールの「Measurement & Reporting」からAMCへアクセスできるようになったと発表しており、日本も対象地域に含まれています。セルフサービス化により、中規模の出品者・メーカーにとっても現実的な選択肢になりつつあります。基本利用は無料とされていますが、提供条件や利用できる機能範囲は変わる可能性があるため、最新の公式情報を確認してください。

AMCでできること(分析ユースケース)

AMCでできること

AMCの強みは、広告チャネルをまたいだ「重なり」と「順序」を分析できる点にあります。代表的なユースケースを紹介します。

①広告チャネルの重複・相乗効果分析Amazon DSPとスポンサー広告の両方に接触したユーザーと、どちらか一方だけに接触したユーザーで、購入率がどう違うかを比較できます。「DSPで認知を獲得し、スポンサー広告で刈り取る」という併用戦略の効果を数値で検証できます。

②新規顧客(NTB:New-to-Brand)獲得経路の分析:ブランドにとっての新規顧客が、どの広告・どの経路から生まれているかを可視化できます。新規獲得に効いているキャンペーンへ予算を寄せる判断材料になります。

③カスタマージャーニー(接触順序)の分析:ユーザーがどの広告にどの順番で接触して購入に至ったかを分析できます。ラストクリックだけでは評価されない「最初の接点」の貢献を把握できます。

④カスタムアトリビューション:自社の考え方に合わせた貢献度配分モデルで広告成果を再評価できます。

⑤AMCオーディエンスの作成:分析条件に合致したユーザー群(例:商品詳細ページを見たが未購入のユーザー)をオーディエンスとして作成し、Amazon DSPの配信に活用できます。分析と配信をつなげられるのがAMCの大きな価値です。

AMCの始め方と利用条件

AMCの始め方と利用条件

AMCを利用する基本的な流れは次のとおりです。

ステップ1:アクセス経路の確認。Amazon DSP利用者は担当者経由またはセルフサービスで、スポンサー広告のみの広告主は広告コンソールの「Measurement & Reporting」メニューからAMCにアクセスできるようになっています。アカウントの状況によって表示が異なる場合があるため、見当たらない場合は広告コンソールのヘルプを確認しましょう。

ステップ2:インスタンスの開設。AMCでは「インスタンス」と呼ばれる自社専用の分析環境を作成します。開設後、広告データが順次蓄積・反映されていきます。

ステップ3:分析の実行。AMCの分析はSQLというデータベース言語でクエリ(集計指示)を書いて実行するのが基本です。ただし、よく使われる分析についてはテンプレートが用意されており、SQLに不慣れでも定番分析から始められます。

なお、分析できるデータの範囲や保持期間、画面構成は継続的にアップデートされています。導入判断の前に、必ず最新の公式ドキュメントで仕様を確認してください。

成果につなげる活用ノウハウ

成果につなげる活用ノウハウ

AMCは「導入したが使いこなせない」となりやすいツールです。実務で成果につなげるためのポイントを紹介します。

①テンプレート分析から始める:最初からカスタムSQLに挑戦せず、まずは用意されたテンプレートで重複分析やNTB分析を実行し、自社データの傾向をつかみます。

②問いを決めてから分析する:「DSPの予算を増やすべきか」「リターゲティングの頻度は適切か」など、意思決定につながる問いを先に決め、それに答えるための分析だけを行います。分析のための分析を避けることが継続のコツです。

③定例レポートに組み込む:効果があった分析クエリは保存して毎月同じ条件で実行し、ACoSやROASなど従来指標とあわせて定点観測します。Amazonブランド分析のデータと組み合わせると、検索行動から購買までをより立体的に把握できます。

④分析結果を配信に反映する:未購入ユーザーのAMCオーディエンスをDSPでリターゲティングする、新規獲得に効くキャンペーンへ予算を寄せるなど、「分析→アクション」までをセットで設計します。

導入時の注意点とまとめ

導入時の注意点とまとめ

最後に、AMC導入時の注意点を整理します。

①個人は特定できない:AMCで扱えるのは仮名化された集計データであり、特定ユーザーの個人情報を取り出すことはできません。プライバシー保護の仕組みとして設計されている点を理解しておきましょう。

②人材・体制が必要:テンプレートだけでも一定の分析は可能ですが、踏み込んだ分析にはSQLスキルとAmazon広告の知識を持つ担当者が必要です。社内に適任者がいない場合は、支援会社の活用も選択肢になります。

③広告規模との釣り合いを考える:広告出稿量が少ないとデータが薄く、分析しても示唆が得られにくいことがあります。まずはスポンサー広告の運用を整えたうえで、次のステップとしてAMCに取り組むのが現実的です。

AMCは、Amazon広告の投資判断を「感覚」から「データ」に変えるための強力な武器です。Semuis株式会社では、Amazonをはじめとする ECモールの広告運用・店舗運営支援を行っています。AMCの活用やAmazon広告の改善にご興味のある方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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