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デスクワークの「座りすぎ」対策|世界最長クラスに座る日本人が今日からできる8つの習慣

2026.09.23

  • ウェルビーイング

「気づいたら何時間も座りっぱなしだった」――デスクワーク中心の働き方では、誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか。実は日本人の座位時間は世界的に見ても長く、座りすぎはさまざまな健康リスクと関連することが国内外の研究で指摘されています。本記事では、厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」などの公知情報をもとに、座りすぎのリスクと、今日からすぐに実践できる8つの対策習慣をチェックリスト形式で解説します。

日本人の座位時間は世界最長クラス――「座りすぎ」が問題になる理由

日本人の座位時間は世界最長クラス

オーストラリア・シドニー大学などの研究グループが世界20カ国を対象に行った調査では、日本人の成人が平日に座っている時間は1日約420分(7時間)と、調査対象国の中で最も長い水準でした。スポーツ庁もWeb広報マガジンでこのデータを紹介し、「座りすぎ」への注意を呼びかけています。

座りすぎが問題になる背景には、働き方の変化があります。デスクワークの増加に加え、テレワークの普及で通勤という「歩く時間」が減り、会議も移動なしのオンラインで完結するようになりました。仕事で7〜8時間、通勤や食事、帰宅後のスマホ・テレビ時間まで合わせると、起きている時間の大半を座って過ごしている人も少なくありません。

重要なのは、「運動をしているかどうか」と「座りすぎているかどうか」は別問題だということです。週末にジムへ通っていても、平日に長時間座り続けていれば、座りすぎによるリスクは残るとされています。だからこそ、運動習慣とあわせて「座位時間そのものを減らす・中断する」という視点が必要になります。

世界的にも座位行動への関心は高まっています。WHO(世界保健機関)は2020年に公表した「身体活動・座位行動ガイドライン」で、すべての成人に対して座位時間を減らすことを推奨し、成人には週150〜300分の中強度の有酸素性身体活動を推奨しています。「座りすぎ対策」は、いまや世界共通の健康テーマなのです。

座りすぎがもたらす健康リスク――死亡リスク約40%増という研究データ

座りすぎがもたらす健康リスク

座りすぎのリスクを示すデータとして有名なのが、オーストラリアの研究機関による大規模調査です。1日の座位時間が4時間未満の成人と比べて、11時間以上座っている人は死亡リスクが約40%高かったと報告されています。

長時間座り続けると、脚の大きな筋肉がほとんど働かず、血流や糖・脂質の代謝が低下します。この状態が毎日続くことで、肥満、糖尿病、高血圧、心筋梗塞や脳血管疾患、さらにはがんや認知症、メンタルヘルス不調との関連も指摘されています。糖尿病ネットワークなどの専門メディアでも、座位行動を中断して立ち上がることが血糖値の改善につながるとする研究が紹介されています。

身体面だけではありません。長時間の座位はメンタルヘルスとの関連も研究されており、座位時間が長い人ほど抑うつ傾向のリスクが高いことを示唆する報告もあります。また、同じ姿勢が続くことによる肩こり・腰痛は、デスクワーカーの生産性を下げる代表的な要因です。仕事のパフォーマンスという観点からも、座りすぎは放置できない問題といえます。

ただし、これらは統計的な関連を示すものであり、座りすぎがすべての不調の直接原因と断定できるわけではありません。体調に不安がある場合は、自己判断せず医療機関や産業医に相談してください。その上で、「座りすぎを減らして損はない」というのが現在の国際的なコンセンサスといえます。心強いのは、こまめに立ち上がって座位を中断すること自体にリスク軽減効果が期待できるとされている点です。30分に1回立ち上がるだけなら、今日からでも始められます。

厚労省「身体活動・運動ガイド2023」に学ぶ基本方針

身体活動・運動ガイド2023の基本方針

厚生労働省は2024年1月に「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を公表し、10年ぶりに身体活動の推奨事項を見直しました。このガイドで注目すべきは、初めて「座位行動」という概念が明確に位置づけられ、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する」ことが全世代共通の推奨事項になった点です。

成人向けの主な推奨は次のとおりです。第一に、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(歩数にして約8,000歩以上が目安)。第二に、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上。第三に、筋力トレーニングを週2〜3日。そして、座りっぱなしの時間を減らし、立ち上がって体を動かすことを挟む、という内容です。

ポイントは「今より少しでも多く体を動かす」という考え方が基本原則になっていることです。いきなり理想値を目指す必要はなく、30分に1回立ち上がる、1駅分歩くといった小さな行動の積み重ねが推奨されています。詳細な数値や最新の改訂内容は、厚生労働省の公式サイトで確認してください。

「では立ちっぱなしなら良いのか」という疑問もよく聞かれますが、長時間の立位もまた脚のむくみや腰への負担につながるため、理想は「座る・立つ・動く」をこまめに切り替えることです。昇降式デスクを使う場合も、1時間立ち続けるのではなく、30分〜1時間おきに姿勢を変える使い方が推奨されています。また、日常生活の中の家事や移動といった運動以外の身体活動(NEAT)を増やすことも、消費エネルギーを積み増す有効な方法とされています。

今日からできる座りすぎ対策8つの習慣【チェックリスト】

今日からできる8つの習慣

ここからは、オフィスでも在宅でも実践しやすい8つの習慣をチェックリスト形式で紹介します。まずは2〜3個から始めてみてください。

(1)30分に1回立ち上がる:タイマーやスマートウォッチのリマインダーを使い、30分ごとに一度立つだけでも、座位の中断として効果的とされています。(2)立ち会議・立ち電話を取り入れる:短い打ち合わせや電話は立って行うと、自然に座位時間が減ります。(3)昼休みに10分歩く:食後の軽い歩行は気分転換にもなります。(4)エレベーターより階段を選ぶ:日常の中の「ついで運動」を増やします。(5)コピー機やゴミ箱をあえて遠くに置く:立ち上がる理由を意図的につくる方法です。(6)飲み物は小さいコップで:給湯室に行く回数が増え、歩数が稼げます。(7)在宅勤務は「境目」に動きを挟む:会議と会議の間に伸びをする、始業前に近所を1周するなど、切り替えのタイミングで体を動かします。(8)帰宅後のスマホ・テレビ時間を意識する:仕事以外の座位時間も無視できません。「ながらストレッチ」だけでも変わります。

立ち上がったついでにできる簡単な動きも組み合わせましょう。両手を上げて大きく伸びをする、肩を前後に10回まわす、その場でかかとの上げ下げを10回行う――いずれも1分もかからず、血流の改善や気分転換に役立ちます。デスクに戻る前に窓の外を見て目を休めれば、眼精疲労のケアにもなり一石二鳥です。

続けるコツは、意志の力に頼らず「仕組み化」することです。行動科学では「会議が終わったら立ってストレッチする」「コーヒーを飲み終えたら給湯室まで歩く」のように、既にある習慣に新しい行動をくっつける方法(if-thenプランニング)が有効とされています。また、スマートウォッチや歩数計アプリで座位時間や歩数を見える化すると、行動が続きやすくなります。完璧を目指すより、「8つのうち今日は3つできた」と加点式で考えるのが長続きの秘訣です。

睡眠との相乗効果も見逃せません。日中の身体活動は睡眠の質にも影響するとされています。あわせて働く人の睡眠の質を高める10の習慣も参考にしてください。

企業・職場でできる座りすぎ対策――健康経営の視点から

職場ぐるみで取り組む座りすぎ対策

座りすぎ対策は個人の努力だけでなく、職場ぐるみで取り組むことで定着しやすくなります。経済産業省が推進する健康経営(健康経営優良法人認定制度)でも、従業員の運動習慣や生活習慣改善への取り組みは重要なテーマであり、経団連の調査でも従業員の健康増進施策に取り組む企業は年々増えています。

個人の努力に任せるだけでは、「立ち上がりにくい雰囲気」が障壁になりがちです。上司が率先して席を立つ、立ち作業を推奨する方針を明文化するなど、組織として「動いてよい」と示すことが、対策を定着させる第一歩になります。

具体的には、昇降式デスク(スタンディングデスク)の導入、立ったまま話せるミーティングスペースの設置、社内放送やチャットでのストレッチタイムの呼びかけ、ウォーキングイベントの開催などが代表的です。大がかりな投資をしなくても、「会議は50分で切り上げて10分は席を立つ」「オンライン会議の合間に休憩を挟むルールにする」といった運用の工夫だけでも始められます。

取り組みを定着させるには、効果の見える化も有効です。例えば「ストレッチタイム実施後のアンケートで肩こりの自覚症状を聞く」「ウォーキングイベントの参加率を毎回記録する」など、簡単な指標でよいので変化を追いかけると、施策が続きやすくなります。健康経営優良法人の認定取得を目標に据えると、社内の合意形成もしやすくなるでしょう。

従業員の健康は、生産性や離職率にも関わる経営課題です。Semuis株式会社では、企業のマーケティング支援とあわせて、コラムを通じて働く人のウェルビーイングに関する情報発信を行っています。職場の情報発信やコンテンツづくりでお悩みの方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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