LYPマイレージとは?仕組み・メーカーのメリットとYahoo!ショッピングでの活用ポイントを解説
2026.09.16
「セールで値引きしてもリピートにつながらない」「実店舗とECの販促がバラバラで、購入データも分断されている」——メーカーやECモール出店の担当者であれば、一度は感じたことのある悩みではないでしょうか。その解決策のひとつとして注目されているのが、LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayが共同で展開するマイレージ型販促プログラム「LYPマイレージ」です。本記事では、LYPマイレージの基本的な仕組み、メーカー・出店者にとってのメリット、実務での活用の始め方までをわかりやすく解説します。
LYPマイレージとは?LINE・Yahoo!・PayPayの共同販促プログラム

LYPマイレージとは、LINE・Yahoo! JAPAN・PayPayの3ブランドが連携して2023年3月に開始した、マイレージ型の販促プラットフォームです。ユーザーは対象商品を購入するたびに「マイレージ」が貯まり、あらかじめ設定された購入金額などの条件を達成すると、特典としてPayPayポイントが付与されます。
従来のクーポンや値引きが「1回の購入」を促す“点”の施策だったのに対し、LYPマイレージは「買えば買うほど特典に近づく」設計によって“線”で継続購入を促すのが最大の特徴です。航空会社のマイルやコンビニのスタンプカードのEC・リアル横断版とイメージするとわかりやすいでしょう。名称の「LYP」はLINE・Yahoo!・PayPayの頭文字で、2023年10月に発足したLINEヤフー株式会社のグループ横断サービスとして位置づけられています。有料会員サービス「LYPプレミアム」と混同されがちですが、LYPマイレージはメーカー・ブランドが販促目的で活用する仕組みであり、別のサービスです。
参加メーカーは日用品・飲料・食品・化粧品など消費財ブランドが中心で、対象店舗はウエルシア薬局やスギ薬局などのドラッグストアをはじめとした実店舗と、オンラインではYahoo!ショッピングが対象となっています。キャンペーンの対象商品・参画企業は時期により入れ替わるため、最新の対象は公式ページや参画窓口で確認してください。
LYPマイレージの仕組み:マイレージが貯まる流れと対象チャネル

ユーザー側の利用の流れはシンプルです。エントリー後、実店舗では対象商品をPayPay決済で購入すると、購入金額に応じてマイレージが自動的に貯まります。オンラインではYahoo!ショッピングでの対象商品購入が集計対象です。そして重要なのが、実店舗とオンラインの購入金額が「合算」で判定される点です。
たとえば「対象ブランドの商品を期間中に合計3,000円分購入するとPayPayポイントを進呈」という設計であれば、ドラッグストアで1,800円分、Yahoo!ショッピングで1,200円分購入したユーザーも条件を達成できます。ユーザーには進捗状況がLINEなどを通じて通知されるため、「あと少しで特典に届く」というタイミングでのリマインドが自然に働き、追加購入を後押しします。
出店者・メーカー側から見た集計・特典付与の実務も押さえておきましょう。特典のPayPayポイントは条件達成後に自動的に付与されるため、店舗側でクーポン原資の管理やレジオペレーションの変更を行う必要は基本的にありません。ユーザーにとっても「エントリーして、いつも通り買うだけ」という参加ハードルの低さが継続率につながっています。一方で、マイレージの集計対象や付与時期、対象外となる購入方法などの細部は企画ごとに異なるため、告知物を作る際は必ず最新の実施要領にあわせて表記する必要があります。
この仕組みが機能する土台は、LINE・Yahoo!・PayPayという巨大な会員基盤です。日常のメッセージアプリ・検索/EC・決済という3つの生活接点を横断してユーザーを捕捉できるため、単一チャネルの販促では届かなかった層にもアプローチできます。EC市場の拡大も追い風です。経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月公表)によれば、2024年の国内BtoC-EC市場規模は26兆1,225億円(前年比5.1%増)に達しており、オンとオフをまたぐ購買行動はますます一般化しています。
メーカー・出店者にとってのメリットと活用シーン

LYPマイレージのメーカー側のメリットは、大きく3つあります。
1. リピート・まとめ買いの促進
「累計購入額」で特典が決まる設計のため、1回きりの値引きと異なり、同一ブランドの継続購入・複数購入を自然に促せます。単価の低い消費財ほど、ブランドスイッチ防止・指名買いの定着に効果的です。
2. オン・オフ横断の購買データ
実店舗とECの購買が同一IDで捕捉されるため、これまで分断されていた「店頭で買う顧客」と「ECで買う顧客」の行動をまたいで把握し、次の施策設計に活かせます。メーカーが小売を介さずに購買者と直接つながる手段としても注目されています。
3. LINEを通じた再アプローチ
キャンペーン参加者にはLINEを起点とした進捗通知・告知が届くため、購入後のフォローや次回キャンペーンへの誘導など、継続的なコミュニケーションが可能です。
活用シーンの具体例も挙げておきます。たとえば日用品メーカーであれば、詰め替え需要のあるシャンプーや洗剤で「シリーズ累計◯円購入」を条件にすれば、他ブランドへのスイッチを防ぎながら継続購入を促せます。飲料・食品であれば、新商品の発売期にLYPマイレージを組み合わせることで、「初回トライアル→2回目・3回目の定着」までを1つの企画で設計できます。従来のサンプリングや初回クーポンが「1回目」しか作れなかったのに対し、マイレージ型は「2回目以降」を作れる点が本質的な違いです。
Yahoo!ショッピング出店者にとっても、自店で扱う商品がLYPマイレージの対象になっていれば、「対象商品であること」を商品ページやストア内で訴求することで、条件達成を狙うユーザーの受け皿になれます。ポイント施策との相乗効果については「PayPayポイント」の記事、LINEを使った顧客接点づくりは「Yahoo!ショッピングのLINE公式アカウント連携」もあわせてご覧ください。
LYPマイレージ活用の始め方と実務ポイント

メーカーとしてLYPマイレージの活用を検討する場合、実務は次の4ステップで進めます。
ステップ1:対象商品と特典設計を決める
リピートを促したい主力ブランド・シリーズを選定し、「いくら購入でいくら分の特典か」の還元設計を行います。購入単価と粗利から無理のない還元率を逆算するのが基本です。
ステップ2:参画条件・費用を公式窓口で確認する
参画形態や費用、実施可能な時期は公開情報が限られており、個別の商談ベースで決まる部分が大きいため、LINEヤフーの広告・販促窓口や取引のある代理店経由で最新の条件を確認します。
ステップ3:店頭・EC・自社メディアの告知を連動させる
店頭POP、Yahoo!ショッピングの商品ページ、ブランドのLINE公式アカウントやSNSで同時に告知し、「どこで買っても貯まる」ことを伝えます。告知が分断されると合算設計の強みが活きません。
ステップ4:結果データを次の販促に反映する
キャンペーン終了後は、新規購入者比率、リピート率、チャネル構成比などを検証し、対象商品や還元設計を見直します。1回で終わらせず、年間販促カレンダーに組み込むことで育成効果が積み上がります。
実務上の注意点として、還元設計は「達成条件が高すぎず、低すぎない」水準に置くことが重要です。条件が高すぎると途中離脱が増え、低すぎると通常でも買っていた層への還元(いわゆる自然購買の食い合い)が大きくなります。過去の購入頻度データから「平均よりやや上」の購入額を条件に設定するのが定石です。また、LYPマイレージ単体で完結させず、Yahoo!ショッピング側のセールイベントや自社のLINE配信と時期を重ねることで、認知→購入→リピートの導線が太くなります。
まとめ:オン・オフ横断の購買データを「継続購入」に変える

よくある質問にも触れておきます。「中小メーカーでも参画できるのか」については、実施はキャンペーン企画ごとの商談ベースとなるため、規模要件や最低予算は窓口への確認が必要ですが、まずは代理店経由で情報収集するのが近道です。「効果測定はどこまでできるのか」については、参画企業にはキャンペーンの実績データがレポートされる形が一般的で、自社ECや店頭POSのデータと突き合わせることで増分効果を推定できます。「類似の販促手段との違いは何か」と問われれば、単発のクーポンやポイントアップと異なり、累計購入で特典が決まる設計そのものが「継続購入のインセンティブ」になっている点が答えになります。
LYPマイレージは、LINE・Yahoo!・PayPayの生活接点を横断して「買えば買うほどお得」という体験を提供し、単発の値引きでは実現しにくい継続購入とブランド育成を可能にする販促プログラムです。実店舗とYahoo!ショッピングの購買を合算して捕捉できる点は、オン・オフの販促が分断されがちなメーカーにとって大きな価値があります。まずは主力ブランドの小規模なキャンペーンから試し、データ検証を重ねながら育てていくのがおすすめです。
Semuis株式会社では、Yahoo!ショッピングをはじめとしたECモールの販促設計・運営支援を行っています。「自社ブランドでどう活用できるか」を相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
