ロジクラとは?料金・機能・導入メリットを解説|スマホで検品できるクラウド型WMS
2026.10.07
「出荷件数が増えてきて、Excelと目視の検品では誤出荷が怖い」「倉庫の在庫とネットショップの在庫が合わない」――EC運営が軌道に乗り始めた事業者が最初にぶつかる壁が、在庫・出荷管理です。本記事では、スマートフォンだけで検品・入出荷管理ができるクラウド型WMS(倉庫管理システム)「ロジクラ」について、機能・料金・導入メリットと注意点を、公開情報に基づいて中立的な実務者視点で解説します。
※本記事の料金・機能・実績などの数値は執筆時点(2026年10月)の公開情報に基づく目安です。最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
ロジクラとは?スマホで使えるクラウド型WMS

ロジクラは、株式会社ロジクラが提供するクラウド型の在庫管理・倉庫管理システム(WMS)です。EC・店舗・卸といった複数チャネルの在庫を一元管理し、入荷から出荷までの倉庫内業務をスマートフォンアプリで完結できる点が最大の特徴です。公式サイトによれば累計アカウント数は36,000社を突破しており、アパレル・雑貨・化粧品など、SKU数が多く検品精度が求められる業種で広く使われています。
従来のWMSは専用のハンディターミナル(1台数万〜数十万円)を前提とするものが主流でしたが、ロジクラはiPhoneのカメラをバーコードスキャナーとして使えるため、高額な専用機器を購入せずにバーコード検品を始められます。「WMSは大規模倉庫のためのもの」というイメージを覆し、月間数百件規模の出荷からでも導入しやすい設計になっています。
典型的な活用シーンは、(1)自社倉庫や事務所の一角から自社出荷しているECショップが、出荷量の増加に伴って検品体制を整えるケース、(2)実店舗とECの在庫を共有しており、どちらかで売れるたびに在庫数がずれて困っているケース、(3)小規模な営業倉庫・3PL事業者が荷主ごとの在庫を預かって管理するケースです。いずれも「人の記憶と注意力に頼った運用」をシステムに置き換えることが目的になります。WMSというカテゴリ自体の機能や選び方については、WMS(倉庫管理システム)とは?主な機能・費用相場・失敗しない選び方5ステップでも詳しく解説しています。
ロジクラの主な機能|入出荷・検品・棚卸をアプリで完結

ロジクラの機能は、倉庫内のモノの動きを正確に記録することに特化しています。主な機能は次のとおりです。
第一に入出荷管理。発注・入荷予定の登録、入荷検品、出荷指示の取り込み、ピッキングリスト発行、出荷検品までを一連の流れで管理できます。スマホでバーコードをスキャンして照合するため、「商品の取り違え」「数量間違い」といった誤出荷を仕組みで防げます。
第二に在庫管理・棚卸。ロケーション(棚番)管理、ロット管理、有効期限管理に対応し、化粧品や食品のように期限管理が必要な商材でも使えます。棚卸もアプリでスキャンしながら実施でき、帳簿在庫と実在庫の差異を把握しやすくなります。
第三に外部連携。Shopify、スマレジ、ネクストエンジンなどと連携でき、受注管理システム(OMS)側で取り込んだ注文をロジクラに出荷指示として流す、といった運用が可能です。一元管理システムとの役割分担については、一元管理システム(OMS)とは?複数モール運営を効率化する仕組み・費用・選び方も参考にしてください。
ロジクラの料金プラン|月額16,000円からの2プラン+従量課金

執筆時点の公開情報では、ロジクラの料金プランは次の構成です(いずれも税抜・年契約の月額目安)。
・Liteプラン:月額16,000円。月300件までの出荷が基本料金に含まれ、1拠点に対応。超過分は1出荷あたり約25円の従量課金という情報があります。
・Premiumプラン:月額40,000円。月2,000件までの出荷が含まれ、2拠点に対応。超過分は件数帯に応じて1出荷あたり10円〜2円程度と段階的に単価が下がる体系とされています。
・Enterpriseプラン:要問い合わせ。拠点数や連携要件に応じた個別見積もりです。
初期費用は0円で、14日間の無料トライアルが用意されています。簡単な試算をすると、月500件出荷の事業者がLiteプランを使う場合、16,000円+超過200件×25円=約21,000円/月が目安になります。月1,500件を超えるあたりからはPremiumプランのほうが割安になる計算なので、自社の出荷件数の推移を踏まえてプランを選ぶとよいでしょう。※料金体系は改定されることがあるため、契約前に必ず公式サイト・営業窓口で最新の条件を確認してください。
コストを考えるときは、月額料金だけでなく「誤出荷1件あたりの損失」と比較するのが実務的です。誤出荷が起きると、返送送料・再送送料・謝罪対応の人件費で1件あたり数千円規模の直接コストがかかるうえ、モールでは低評価レビューという無視できない間接コストも発生します。月に数件の誤出荷が常態化しているなら、その削減効果だけで月額費用の相当部分を回収できる計算になります。また年契約が基本のため、繁忙期だけ使うといった短期利用には向きません。契約期間と解約条件もあわせて確認しておきましょう。
ロジクラの導入メリットと注意点・向かないケース

導入メリットは大きく3つあります。(1)スマホ検品により誤出荷を仕組みで防げること、(2)専用機器への先行投資なしにバーコード運用を始められること、(3)紙とExcelの出荷リスト運用から脱却し、新人スタッフでも迷わず作業できる標準化が進むことです。誤出荷は返送・再送コストだけでなくモールの店舗評価にも直結するため、レビュー低下の予防策としても効果が見込めます。
一方で注意点もあります。ロジクラはあくまで倉庫内業務(WMS領域)のシステムであり、受注メールの送信や複数モールの受注取り込みといったOMS領域はカバーしません。複数モール展開をしている場合は、ネクストエンジンなどのOMSとの併用が前提になります。また、月間出荷件数が非常に少ない(数十件程度の)段階では費用対効果が出にくく、逆に数万件規模の大型倉庫や複雑なtoB物流では、上位のエンタープライズ向けWMSのほうが適合することもあります。自社開発の基幹システムと細かく連携したい場合は、API対応範囲の事前確認が必須です。
他のWMSと比較する際の観点は3つあります。(1)端末:スマホ中心か専用ハンディ前提か、(2)価格帯:初期費用と出荷件数あたりの実質単価、(3)連携:自社が使うカート・OMS・モールに対応しているか。ロジクラはこのうち「スマホ運用・低初期費用・EC向け連携」に強みを持つ一方、冷凍冷蔵倉庫の温度帯管理や複雑な流通加工指示など、大規模物流特有の要件は得意領域ではありません。導入検討時は、現在の課題が「誤出荷・在庫差異」なのか「大規模倉庫の生産性改善」なのかを切り分けると、自社に合うWMSのタイプが見えてきます。
ロジクラ導入の進め方5ステップ

導入でつまずかないために、次の5ステップで進めるのがおすすめです。
ステップ1:現状業務の棚卸し。入荷〜出荷までの作業フローと、誤出荷・欠品の発生箇所を書き出します。
ステップ2:無料トライアルで検証。14日間のトライアルで、自社の代表的な商品・注文パターンを実際に処理してみます。
ステップ3:マスタ整備。商品コード・バーコード(JAN)・ロケーションの付番ルールを決め、商品マスタを整備します。ここの精度が運用の成否を分けます。
ステップ4:連携設定と並行稼働。ShopifyやOMSとの連携を設定し、1〜2週間は旧運用と並行させて差異を確認します。
ステップ5:本稼働とルール見直し。本稼働後は棚卸差異率・誤出荷率を毎月計測し、ロケーションや作業ルールを改善します。
導入前チェックリストとしては、「月間出荷件数と繁忙期のピーク件数を把握しているか」「JANコードのない商品への採番ルールを決めたか」「連携したいカート・OMS・モールが対応しているか」「倉庫スタッフ用のiPhone端末を確保できるか」の4点を最低限確認しておきましょう。導入期間の目安は、商品マスタの整備状況にもよりますが、トライアル開始から本稼働まで1〜2か月程度を見込んでおくと無理がありません。繁忙期(セール時期や年末商戦)の直前に切り替えるのはリスクが高いため、出荷が落ち着く時期に並行稼働を終えられるよう逆算してスケジュールを組むのが鉄則です。わからない点は導入時にカスタマーサクセスへ相談できるため、初めてのWMS導入でも独力で進めるより定着までの時間を短縮しやすいでしょう。
Semuisでは、EC事業者さまの在庫管理・物流体制の整備を含むEC運営支援を行っています。「自社の規模でWMSを入れるべきか」「OMSとどう組み合わせるべきか」といったご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
