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ディスカバリーコールとは?進め方5ステップ・質問例と受注率を高める実践ノウハウを解説

2026.09.15

  • BtoBセールス

BtoB営業において、受注率を最も左右するのは提案やクロージングではなく、その手前の「ディスカバリー」だと言われます。ディスカバリーコール(Discovery Call)とは、初回商談・初回架電で顧客の現状・課題・意思決定プロセスを深く探索するための対話のことです。海外のセールス調査では、トップパフォーマーほど初回の探索段階に時間をかけ、質問の質と数が受注率と相関するというデータが繰り返し報告されています。一方、日本のBtoB営業の現場では「初回はとりあえず会社紹介とサービス説明」で終わってしまい、顧客の本質的な課題をつかめないまま提案に進んで失注する、というパターンが後を絶ちません。本記事では、ディスカバリーコールの目的と設計、進め方の5ステップ、質問例、やってはいけないNG行動までを実務目線で解説します。

ディスカバリーコールとは?初回商談の質が受注率を決める

ディスカバリーコールとは

ディスカバリーコールとは、見込み顧客との初回のコール・商談で、顧客のビジネス状況、抱えている課題、課題の背景、解決の緊急度、予算や意思決定プロセスを「発見(Discover)」するための対話です。米国のSaaS営業の標準プロセスとして定着した概念で、日本でもインサイドセールスとフィールドセールスの分業が進むにつれ、「初回接点の質」を科学する文脈で注目されています。

重要なのは、ディスカバリーコールは「ヒアリング=情報収集」ではないという点です。目的は、顧客自身も言語化できていない本質的な課題を対話を通じて明らかにし、「解決すべき理由」を顧客と一緒に作り上げることにあります。表面的な要望を聞き取るだけなら、フォームのアンケートで足ります。営業が対話する価値は、質問を重ねることで顧客の認識を深め、変化の必要性に気づいてもらうことにあります。

HubSpotなどの調査では、買い手が営業に求めるものの上位に「自社のニーズへの理解」が挙がる一方、多くの買い手が「営業は自社のことを理解していない」と感じているというギャップが指摘されています。このギャップを埋める場こそがディスカバリーコールであり、ここでの信頼構築がその後の商談化率・受注率に直結します。

ディスカバリーコールの事前準備:仮説なき質問は尋問になる

事前準備:仮説構築

ディスカバリーコールの成否は、コール前の準備で7割決まります。準備の核は「仮説構築」です。

まず、対象企業の公開情報(Webサイト、採用ページ、プレスリリース、決算資料、業界ニュース)と、獲得経路の情報(どの資料をダウンロードしたか、どのセミナーに参加したか)から、「この会社は今、こういう状況で、おそらくこういう課題を持っているのではないか」という仮説を立てます。仮説があると、質問は「御社の課題は何ですか?」という丸投げではなく、「同業の〇〇業界では最近△△が課題になるケースが多いのですが、御社ではいかがですか?」という、相手が答えやすく、かつ「分かっている営業だ」と感じてもらえる形になります。

次に、コールの設計です。30分のコールなら、冒頭5分でアジェンダ合意と信頼構築、20分で探索の対話、最後の5分で次のステップの合意、という時間配分をあらかじめ決めておきます。質問リストは10個前後準備しつつ、当日は3〜4つの重要テーマに絞って深掘りするのがコツです。論点を広げすぎると、どの課題も浅いまま終わってしまいます。

また、社内にセールスプレイブックや過去の失注理由の蓄積があれば、必ず目を通しておきましょう。よくある課題パターン、競合の登場パターン、刺さった質問の型を事前に頭に入れておくことで、当日の対話の質が大きく変わります。

進め方5ステップと質問例:BANTを聞く前に痛みを掘る

進め方5ステップ

ディスカバリーコールの標準的な進め方を5ステップで整理します。

ステップ1:オープニングとアジェンダ合意(5分)。自己紹介は短く済ませ、「本日は御社の状況をお伺いして、当社がお役に立てそうか一緒に判断する時間にしたい」と、売り込みの場ではないことを明確にします。

ステップ2:現状の探索。「現在〇〇の業務はどのような体制・ツールで運用されていますか?」など、事実ベースの質問から始めます。答えやすい質問で対話のリズムを作る段階です。

ステップ3:課題と痛みの深掘り。「その運用で一番困っていることは何ですか?」「それが起きると、どんな影響がありますか?」「なぜ今まで解決されてこなかったのでしょうか?」と、課題→影響→障害の順に掘り下げます。ここが対話の中心であり、SPIN型の示唆質問(このままだとどうなりますか?)が効く場面です。

ステップ4:理想状態と優先度の確認。「理想的にはどういう状態にしたいですか?」「その解決は、社内の優先順位としてはどの位置づけですか?」と、変化への意欲と緊急度を確認します。

ステップ5:意思決定プロセスと次のステップの合意。予算・決裁者・検討時期(いわゆるBANT情報)はこの段階で自然に確認します。最後に「では次回、本日伺った課題に沿ったご提案をお持ちします。〇〇様と、可能であれば△△部門の方にもご同席いただけますか」と、具体的な次のアクションを必ず合意して終えます。

ポイントは、BANTの確認を冒頭に持ってこないことです。信頼関係ができる前に予算や決裁者を聞くと尋問になり、本音を引き出せなくなります。

やってはいけないNG行動と社内での仕組み化

NG行動と仕組み化

ディスカバリーコールでよくあるNG行動は次の4つです。

第一に、製品説明に時間を使いすぎること。初回コールの主役は顧客です。話す割合は「顧客7:営業3」を目安にし、デモや機能説明は課題が特定できてから行うほうが刺さります。第二に、チェックリストを埋める尋問型ヒアリング。質問リストを上から順に消化するのではなく、相手の回答に対して「それはなぜですか?」「具体的には?」と追いかける深掘りが対話の質を作ります。第三に、課題を聞いた瞬間に解決策を提示すること。早すぎる提案は課題の全体像を見誤ります。第四に、次のステップを曖昧にして終えること。「また改めてご連絡します」で終わった商談の多くは、そのままフェードアウトします。

組織として成果を安定させるには、個人技に頼らない仕組み化が必要です。具体的には、(1)ディスカバリーで確認すべき項目を定義した共通フレーム(トークガイド)の整備、(2)商談録画・録音のレビュー会による質問力のトレーニング、(3)SFA/CRMへのディスカバリー情報の記録項目の標準化、(4)インサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎ項目の統一、の4点が効果的です。近年は商談解析ツールで「営業と顧客の発話比率」や「質問数」を可視化できるようになっており、ディスカバリーの質を定量的に改善する取り組みも広がっています。

当社の支援先でも、初回商談のトークガイドと深掘り質問の型を整備しただけで、二回目商談への転換率が明確に改善した例があります。ディスカバリーは才能ではなく、設計と訓練で再現できるスキルです。

まとめ:ディスカバリーコールは「売る場」ではなく「発見する場」

まとめ

ディスカバリーコールは、初回接点で顧客の課題・背景・意思決定プロセスを発見し、解決すべき理由を顧客と共創する対話です。仮説を持って臨み、痛みを深掘りし、次のステップを必ず合意する。このシンプルな原則を組織で標準化できれば、その後の提案・クロージングの精度は自然と上がります。受注率に悩む営業組織こそ、まず初回商談の設計から見直してみてください。

Semuis株式会社では、BtoB営業プロセスの設計、インサイドセールスの立ち上げ、商談品質の改善支援を行っています。初回商談の型づくりや営業組織の強化をご検討の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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