【2024年版】BtoBアウトバウンドコール大全。調査結果と成果の出る手法まとめ
2024.05.03
- BtoBセールス
アウトバウンドコールとは、新規顧客や既存顧客に対し、営業担当者が自社商品やサービスを電話で営業する活動のことを指します。
世界的な調査によると、ビジネスコミュニケーションの手段として、「音声通話」に注目が集まっていることがわかりました。自社の売上や成約率を上げるためにも、電話営業は欠かせません。
そこで本記事では、BtoBアウトバウンドコールに役立つ統計データをご紹介します。1日にかけるべき架電回数や電話に最適な時間帯といった、BtoBの電話営業に役立つヒントやポイントがわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
(※本記事は「31 Cold Calling Statistics To Boost Your Sales Strategy in 2024」を和訳し、まとめたものです。)
アウトバウンドコールで外せない3つのポイント
アウトバウンドコールを成功させるには、効果的な戦略が不可欠です。
ここでは、電話に最適な時間帯や曜日、1日に何件架電すべきなのかなど、電話営業で意識したいポイントについてご紹介します。
1. 電話に最適な時間帯は午後4時〜午後5時
電話に最適な時間帯は、午後4時〜午後5時の間と言われています。
データによると、午前11時〜午後12時の時間帯に比べ、 午後4時〜午後5時の時間帯は、会話のラリーが71%も増えるそうです。
午前11時〜午後12時の時間帯は、ほとんどの会社が昼休憩となります。休憩時間に電話営業しても、十分に話を聞いてくれない可能性が高いです。
比較的時間に余裕がもてる、午後4時〜午後5時の時間帯に電話しましょう。
2. 最初の電話は水曜日に行う
最初の電話は水曜日にしましょう。分析によると、月曜日や火曜日に比べ、水曜日は見込み客と会話できる確率が50%増加することがわかりました。
また、週の初めと終わりは、顧客が電話する可能性が最も低いことも明らかになっています。月曜日と金曜日は避けて、できるだけ水曜日に電話しましょう。
3. 1人の顧客に8回、1日60件電話をかける
見込み客が電話に出るまでには時間がかかります。そのため1人の顧客に、合計8回は連絡しましょう。「誰に・いつ・何回」電話したか混乱しないよう、 ソフトウェアやアプリなどを活用して管理するのがおすすめです。
ある調査によると、BtoBテクノロジー業界の営業担当者は、少なくとも1日あたり平均60件電話をかける必要があるとわかりました。毎日60件(1週間で300件)電話をかけると、1週間で約38人に連絡できるかもしれません。
統計では、営業担当者が1日あたり平均35件コールするのに、約55分かかると判明しています。仮に1日60件架電すると、1日2時間弱ほどのリソース確保が必要です。
そのため、過去の開封率と通話時間に応じて、見込み客を約30〜40人に絞って架電する方法がおすすめです。スケジューリングをうまく組み立て、電話営業のための時間を捻出していきましょう。
アウトバウンドコールに効果的な話し方
BtoB営業における、電話での話し方には配慮が必要です。話す長さやテンポによっても成約率が変わります。
ここでは、アウトバウンドコールに効果的な話し方についてご紹介します。
1. 電話営業で効果的な言葉を使う
まず、「最近、事業のご状況はいかがですか?「前回お電話させてただいたのが⚪️月でしたが、状況お変わりありませんか?」など電話で相手の調子を伺いましょう。分析によれば、このセリフを言うことで商談化率が6.6倍に上がったことがわかりました。また、「私たち」といった協調的な言葉も、電話営業で効果的だと判明しています。
注意すべき点として、冒頭で「いまお話しさせていただいてもよろしいでしょうか?」といったフレーズを使わないことです。このセリフで始めてしまうと、商談に繋がる可能性が40%減少します。相手に良い印象を与える声かけを心がけましょう。
2. 電話をかけた理由を述べる
電話をかけた理由を伝える営業担当者は、商談の成功率が2.1倍高いことがわかりました。「自分が何者なのか?」「どこの会社に所属しているのか?」「なぜ電話をかけているのか?」といったWhy You, Why Now情報を伝えましょう。
また、バイヤーの94%が、非通知電話は詐欺ではないかと考えています。調査結果では、非通知電話は企業の販売量や販売速度、生産性に影響を与えることがわかっています。そのため顧客に電話をかける際は、必ず電話をかけた理由を伝えましょう。
3. 顧客の労力を減らす提案をする
成功する電話営業では、営業担当者が顧客よりも10%多く話します。あなたが何を売り込みたいのか、詳細な情報を相手は把握していません。
理解や解釈といった顧客の労力を減らす提案にすると、次の商談へと繋がる可能性が高まります。
4. 適宜、沈黙する
顧客との会話がうまくいった場合、通話時間全体の8~10%に沈黙が発生します。適切に沈黙すると成功率が上がるため、時折話さない時間を取り入れてみましょう。
ただし、会話の大半が沈黙になると取引の妨げになります。沈黙のしすぎには気をつけましょう。
売上とCVR率を上げる!3つのヒント
売上とコンバージョン(CVR)率を上げるために、意識したいポイントがいくつかあります。
ここでは、BtoB電話営業のヒントについてご紹介します。
1. 企業の直通番号に電話をかける
顧客の電話番号に直接連絡した場合は平均12.73回、会社の代表電話の番号に連絡した場合は平均18.83回の発信が必要です。
また、代表電話番号への電話は、直通番号への電話よりも、67%多くの時間が必要です。
人物直通番号に電話することで、秘書や受付といったゲートキーパーを回避します。直に意思決定者に連絡が取れるため、成約率とコンバージョン率向上に役立ちます。
2. 経営幹部や副社長と話す
分析によると、経営幹部や副社長は、取締役やマネージャーよりも、電話でのコミュニケーションを好むことがわかりました。経営幹部の半数以上が、電話に喜んで応じます。
そのため、できるだけトップの意思決定者に連絡してみるのがおすすめです。その際は、彼らのWebサイトや情報をリサーチした上で電話しましょう。
3. ボイスメールを活用する
ボイスメールとは、発信者が録音メッセージを、受信者に届けられるサービスのことです。
分析によると、営業担当の38%は、ボイスメールを通じてバイヤーと連絡を取ることがわかりました。ボイスメールで連絡を希望する顧客は21%で、そのうちの17%は、営業担当者や営業チームからボイスメールを受信しています。
また、営業担当者は1日あたり平均70件(毎月25時間)、ボイスメールに時間をかけていることもわかりました。ボイスメールを活用して顧客にアプローチする方法を、営業の一つとして取り入れてみましょう。
ディスカバリーコールを成功させるヒント
ディスカバリーコールとは、商談前に顧客との対話から情報を集め、顧客のニーズや課題を理解し、最適な解決策を提案するための電話です。
ここでは、ディスカバリーコールを成功させるためのヒントについてまとめました。
1. 5分以内に応答する
通話中に顧客が自社商品やサービスに対して質問してきた場合、5分以内に応答すると、接触率が100倍に増加します。
迅速さが重要であるため、ソフトウェアといった営業ツールを使用して応答時間を最適化させ、取引成立の可能性を高めましょう。
2. 11~14個、的を絞って質問をする
ディスカバリーコールでは、11~14個の的を絞った質問をしましょう。
分析によると、質問が11個未満だと十分な範囲をカバーできず、必要な情報をすべて取得できない可能性があるとわかりました。また、質問が14個を超えると、問題が増え過ぎてしまい、回収率が低下します。
事前に11~14個、質問を絞っておきましょう。
3. 顧客が抱える3~4件の問題に焦点を当てる
ディスカバリーコールでは、顧客が抱える3~4件の問題のみに焦点を当てましょう。4つ以上注目すると、問題が広がりすぎる可能性があります。
データによると、トップ成績を収める営業担当者は、ディスカバリーコールでは「話す」よりも「聞く」方が多いとわかりました。また顧客は、60分よりも30分の会議に出席する可能性が12%高いこともわかっています。
そのため、あらかじめ30分程度の通話時間に設定しておくのがおすすめです。その時間内でヒアリングに重点を置き、顧客が抱える3~4件の問題に注目していきましょう。
デモコールを成功させるには?
商品やサービスに関する価値や機能を電話でデモンストレーションする、デモコール。顧客を引き込むために欠かせない、重要な電話営業の手段です。
そこでこの章では、デモコールを成功させるためのヒントについてご紹介します。
1. デモ時間を9分以内に設定し、ターゲットを絞る
調査データによると、デモが9分を過ぎると、見込み客の関心が低下することがわかりました。また、不成立となった取引では、デモが平均11.4分続いたことも判明しています。
また、デモに成功すると、失敗した時よりも30.5%会話が長く続きます。デモではターゲットを定めて話すことが大切です。
デモの時間は9分以内に設定し、対象を絞って話しましょう。
2. 5回のフォローアップをする
営業担当者の80%は、一度目の電話が終わったら、5回のフォローアップが必要です。
分析では、たいていの営業担当者は1回のみのフォローとなっており、5回電話をかける営業担当者はわずか8%となっています。粘り強くフォローアップを続けて成果を上げていきましょう。
反対意見が出た場合は?
電話で営業していると、顧客から「でも〜ですよね?」といった反対意見が出てくる時があります。
ここでは、顧客から反論された場合の対応方法についてご紹介します。
1. 冷静に対応する
顧客から反論を聞いても、優秀な営業マンは慌てず、平均的な会話速度をキープした状態で話を続けます。
統計によると、平均的な営業の会話速度は、1分あたり173語だと判明しています。また、反対意見に対応する際、成功経験のある営業担当者は、1分あたり176語のペースで話すこともわかりました。
反論を聞いた場合、営業がうまくいかない人は動揺して説明が多くなり、通話中に顧客の話をさえぎる傾向があります。状況をよく見て、落ち着いて話を進めていきましょう。
2. 質問を続ける
反対意見を聞いた後、成績優秀な営業マンの54.3%は質問を続けます。質問することで、通話中に見込み客が提起した反対意見を明確にし、適切な解決策を提供できます。
対策として、鏡のように同じような言動をとる「ミラーリング戦術」を使うのがおすすめです。顧客が話す言葉をいくつか繰り返し、詳しく考えを聞いてみましょう。
よくある質問
Q1. 2024年でも電話営業は効果的ですか?
電話営業は、2024年でも有効です。
不要な送受信やデータ交換があるメールは、重要な情報が埋もれてしまい、効率や生産性が低下します。その結果、今でも電話営業が受け入れられています。
ただし、目に見える結果を得るには、毎日件数を積み重ねていくのが大切です。さまざまなツールを活用して有望な見込み客を特定し、信頼関係を築いて電話しましょう。
Q2. コールドコールの平均コンバージョン率はどれくらいですか?
何の接点もない人に直接営業の電話をかける「コールドコール」の平均コンバージョン率は2%です。これは比較的低い数値ではありますが、質の高い見込み客をターゲットにすると、コンバージョン率は18%まで上昇します。
コンバージョン率を高めるには、見込み客の「量」ではなく「質」に注目しましょう。
まとめ
アウトバウンドコールは、メールやSMSなど、他の連絡ツールと組み合わせて実践するのが成功の秘訣です。
データによって裏付けられた情報は、電話での営業戦略に役立つでしょう。ただし、特定の方法が成功し続けるのは一定期間だけで、すぐに陳腐化します。
書籍やブログといった最新情報にプラスして、さまざまな戦略を定期的に試していきましょう。
Semuis株式会社CEO|2009年よりBtoBセールス・マーケティングに従事し、スタートアップ〜エンタープライズまで50社以上支援。ゼロイン、クラウドワークス、楽天、フリーランスライターを経て、2023年創業。アウトバウンドアプローチ、コンテンツマーケティング、SNS・Web広告運用、ECモール支援などのBtoB向けソリューションを展開|インフルエンサー、アンバサダープログラムを研究中|東京都在住。趣味はブラジル音楽と筋トレ。