MOVE by Qoo10とは?ファッション専門サイトの仕組み・出店メリットと活用ノウハウを解説
2026.09.10
- Qoo10
Qoo10でファッションカテゴリの商品を扱っている、あるいはこれからアパレル・雑貨のEC販売を強化したいと考えている担当者にとって、「MOVE by Qoo10」は押さえておきたい販売チャネルのひとつです。MOVEはQoo10内に設けられたファッション専門のショッピングサイトで、動画コンテンツを軸にブランドの世界観を伝えられる点が通常のQoo10とは大きく異なります。本記事では、MOVE by Qoo10の基本的な仕組み、出店するメリット、売上につなげる実践ノウハウ、運用上の注意点までをまとめて解説します。
MOVE by Qoo10とは?通常のQoo10との違い

MOVE by Qoo10(以下、MOVE)は、eBay Japanが運営するECモール「Qoo10」内に2022年4月に開設された、ファッション専門のショッピングサイトです。「MOVE(新たな動き)」「MOVIE(動画)」「MOVEMENT(最新トレンド)」「MOVED(感動)」という4つのコンセプトを掲げており、その名のとおり動画コンテンツを軸に商品やブランドの魅力を訴求する設計になっています。開設当初は約240社からスタートし、その後は国内外の数百規模のファッションブランドが公式ショップを構えるまでに拡大しています。
通常のQoo10が「メガ割」に代表される価格訴求・お得感の強いマーケットプレイスであるのに対し、MOVEはブランドの世界観やトレンド性を重視した編集型の売り場である点が最大の違いです。Qoo10本体では多数のセラーが同一商品を並べて価格競争になりやすい一方、MOVEはブランド公式ショップを中心に構成されるため、価格以外の魅力——着用イメージ、素材感、スタイリング提案——で選ばれる売り場になっています。
購入者層の中心は、K-POPや韓国コスメ・韓国ファッションに関心の高い10〜30代の女性といわれています。経済産業省の「令和5年度電子商取引に関する市場調査」では、物販系BtoC-EC市場は約14.6兆円、そのうち衣類・服装雑貨等は約2.7兆円と最大級のカテゴリであり、EC化率も20%を超えています。ファッションECの競争が激しさを増すなかで、「動画×ブランド世界観」という切り口で差別化された売り場は、出店者にとって貴重な選択肢です。
MOVEに出店するメリット

出店者視点でのMOVEのメリットは、大きく3つに整理できます。
第一に、トレンド感度の高い若年層への効率的なリーチです。MOVEはQoo10のユーザー基盤を共有しているため、ゼロから集客する自社ECと異なり、既にファッション目的で回遊しているユーザーに商品を見てもらえます。特にメガ割の開催期間はQoo10全体のトラフィックが急増するため、MOVE側の露出も連動して伸びやすくなります。
第二に、動画コンテンツ制作の支援を受けられる点です。MOVEでは運営側が制作に関与した動画コンテンツが多数配信されており、出店者は商品ページ用動画の制作支援プログラムを活用できる場合があります。動画レビューのコーナーもあり、静止画とテキストだけでは伝わりにくい素材感やサイズ感を補完できます。自社で動画制作体制を持たない中小ブランドにとって、この支援は出店の大きな動機になります。
第三に、物流支援です。国内出店者向けには、受発注管理から在庫管理、ピッキング、梱包、発送までを代行する「MOVEフルフィルメントセンター」の提供が2025年3月から始まっています。ファッションECは返品・交換対応やセール期の出荷波動が大きく、物流が内製だとボトルネックになりがちです。フルフィルメントを活用すれば、少人数の運営チームでも販売規模を拡大しやすくなります。なお、提供条件や料金は変更される可能性があるため、利用検討時は必ず最新の公式案内・QSMの管理画面で確認してください。
一方で、MOVEはブランド公式ショップとしての世界観・品質が求められる売り場のため、出店にあたっては通常のQoo10出店とは別の基準・審査が設けられています。取扱ブランドの正規性や商品画像・コンテンツの品質を整えたうえで申請するのが基本です。
MOVE活用の実践ノウハウ3つ

実際にMOVEで成果を出すための実務ポイントを3つ紹介します。
1. 動画素材はスマホ縦型・冒頭3秒を意識する。MOVEの閲覧はスマートフォンが中心のため、動画は縦型を基本に、冒頭3秒で「誰向けの・何が良い商品か」が伝わる構成にします。着用シーンの切り替え、素材のアップ、サイズ違いの比較など、購入判断に直結するカットを優先しましょう。HubSpotの調査でも、マーケターの多くが動画を最もROIの高いコンテンツ形式のひとつに挙げており、ファッション領域では静止画のみの商品ページと比べて滞在時間・転換率の改善が期待できます。
2. ライブコマースやクーポン施策と組み合わせる。MOVE単体で完結させず、Qoo10 LIVEでのライブ配信や、Qoo10ショップクーポンとの併用で「認知→検討→購入」の導線を設計します。ライブで紹介した商品にMOVEのブランドページから遷移できるようにし、配信中限定クーポンで購入を後押しする、といった組み合わせが定番です。インフルエンサーを起用する場合は、Qoo10のインフルエンサーマーケティングの考え方も参考にしてください。
3. メガ割前に在庫・コンテンツを仕込む。Qoo10最大の商戦であるメガ割(例年3・6・9・11月頃)は、MOVEにとっても最大の山場です。開催の2〜3週間前までに、主力SKUの在庫積み増し、動画・画像の差し替え、クーポン設計を終えておき、期間中は広告と価格施策に集中できる状態を作ります。セール後はレビュー依頼とリピート施策(プッシュ通知・クーポン配布)で次回商戦につなげます。
加えて、出店準備のチェックリストも整理しておきましょう。(1)取扱ブランドの正規流通であることを示す資料の準備、(2)ブランドロゴ・世界観に沿ったショップページ用素材(バナー・商品画像)の統一、(3)主力商品の縦型動画(15〜30秒)を最低5本、(4)サイズ表・素材表記・洗濯表示など購入不安を解消する情報の整備、(5)メガ割スケジュールを踏まえた在庫・値付け計画の5点です。ここまで準備してから出店申請・初回商戦に臨むと、立ち上がりのスピードが大きく変わります。
運用の注意点と最新動向

最後に、MOVE運用で注意しておきたい点を整理します。
まず、仕様・導線の変更が比較的多いことです。MOVEは開設以来、専用アプリの提供やフルフィルメントの開始など、サービス内容の変化が続いてきました。直近では単独アプリの提供を終了し、Qoo10アプリ・Web経由での利用に集約されたとされています。ユーザーの流入経路が変わると、バナーや特集枠の効果も変わるため、施策の前提となる導線は必ず最新の公式情報・管理画面(QSM)で確認してください。
次に、Qoo10本体との整合性です。同一商品をQoo10本体とMOVEの両方で扱う場合、価格・在庫・クーポン条件の不整合はクレームやブランド毀損につながります。在庫は一元管理し、セール時の値付けルールをあらかじめ決めておきましょう。
また、ブランドの世界観を重視する売り場だからこそ、コンテンツの「鮮度」が成果を左右します。シーズン遅れの動画やトレンドを外したスタイリングは逆効果になり得るため、季節・トレンドに合わせた定期的なコンテンツ更新をルーティンに組み込むことが重要です。
費用面も確認しておきましょう。MOVEはQoo10内のサービスのため、基本的な販売手数料の考え方はQoo10に準じますが、フルフィルメントの利用料や動画制作支援の条件など、付帯サービスごとの費用は個別に設定されています。出店形態によっても条件が異なる場合があるため、正確な手数料・料金は必ずQSMの管理画面や出店担当者経由で最新情報を確認し、粗利シミュレーションを作成したうえで参入判断をすることをおすすめします。特にファッションは返品率がほかのカテゴリより高くなりやすいため、返品コストを織り込んだ損益設計が欠かせません。
MOVE by Qoo10は、価格競争から一歩離れて「ブランドとして選ばれる」売り場を作れる貴重なチャネルです。動画制作・物流の支援も活用しながら、Qoo10本体の集客力とMOVEの世界観訴求を組み合わせて、ファッションECの成長につなげていきましょう。
よくある質問として「Qoo10本体に出店していればMOVEにも自動的に掲載されるのか」という点がありますが、MOVEはブランド公式ショップを軸にした売り場であり、掲載には所定の申請・基準クリアが前提となるのが基本です。また「自社ECや他モールと併売してよいか」については、併売自体は一般的ですが、ブランド毀損につながる極端な価格差は避け、チャネルごとの役割(MOVE=世界観訴求と新規獲得、自社EC=ファン化とLTV最大化など)を明確にした設計が成功パターンです。
Semuis株式会社では、Qoo10をはじめとするECモールの出店戦略から広告運用・コンテンツ制作まで、EC事業の成長をトータルで支援しています。MOVEへの出店やQoo10運用の強化をご検討の際は、ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
