Amazon Project Zeroとは?偽造品を自動排除する3つの機能・参加条件と活用ポイントを解説
2026.09.04
- Amazon
Amazonで自社ブランドを展開するうえで深刻な脅威となるのが偽造品です。従来、偽造品を見つけたブランドは、Amazonに侵害を申告し、調査と削除を待つしかありませんでした。この構図を大きく変えたのが「Amazon Project Zero(プロジェクト・ゼロ)」です。ブランド自身に偽造品を削除する権限を与えるという画期的な仕組みを含む、Amazonの偽造品撲滅プログラムです。本記事では、Project Zeroの3つの機能、参加条件、活用のポイントと注意点を解説します。
Amazon Project Zeroとは

Amazon Project Zeroとは、その名のとおり「偽造品ゼロ」を目指すAmazonのブランド保護プログラムです。Amazonの機械学習テクノロジーと、ブランドオーナーが持つ自社商品や知的財産権に関する知見を組み合わせ、偽造品を検知・排除する仕組みで、日本でも提供されています。
Amazonの公表によれば、自動プロテクション機能は世界中のAmazonで日々更新される50億件超の商品情報を継続的にスキャンし、これまでに9,000万点以上の偽造品の疑いのある出品を、顧客の目に触れる前に排除してきたとされています。事後的な通報対応だけに頼っていた時代と比べ、ブランド保護の主導権を大きくブランド側に引き寄せたプログラムと言えます。前提となるAmazonブランド登録(Brand Registry)と併せて理解しておきましょう。
3つの主要機能

Project Zeroは3つの機能で構成されます。第一に「自動プロテクション」です。ブランドが登録したロゴ・商標・商品情報をもとに、Amazonの機械学習が全世界の出品を継続的にスキャンし、偽造品の疑いがある出品を自動的に検知・排除します。ブランド側の作業なしで24時間365日働く防御網です。
第二に「セルフサービスの偽造品削除ツール」です。従来はAmazonへの申告と調査を経てようやく削除されていた偽造品を、ブランドオーナー自身の判断で直接削除できます。発見から削除までのタイムラグが劇的に短縮され、被害の拡大を最小限に抑えられます。この「削除権限の付与」がProject Zeroの最も画期的な点です。
第三に「商品のシリアル化」です。商品1点1点に固有のコードを付与し、Amazonが出荷時にスキャンして真贋を確認する機能で、実体としてはAmazon Transparencyと連動する仕組みです。シリアル化まで導入すると、個品単位で偽造品の混入を物理的に防げます。
参加条件

Project Zeroには誰でも参加できるわけではなく、おおむね次の条件を満たすブランドが対象とされています。(1)登録商標の権利者であること、(2)Amazonブランド登録を完了しており、そのアカウントにアクセスできること、(3)過去6カ月以内に知的財産権侵害の申告を行っており、申告の承認率が90%以上であること、です。
3つ目の条件がポイントです。つまり、日頃からブランド登録のツールで侵害申告を適切に行い、その申告の精度が高い(誤申告が少ない)ブランドにだけ、削除権限という強い武器が与えられる設計になっています。これは削除権限の濫用を防ぐための仕組みであり、Project Zeroを目指すブランドは、まず通常の申告運用を正確に積み重ねることが入り口になります。条件の詳細や募集状況は変わる可能性があるため、最新情報はAmazonの公式ページで確認してください。
活用のポイントと注意点

活用の第一のポイントは、削除権限を正確かつ慎重に行使することです。Project Zeroの削除ツールは強力ですが、正規の並行輸入品や中古品販売など、偽造品とは言い切れない出品を誤って削除すると、プログラムからの除外やアカウントへの影響につながるリスクがあります。削除の判断基準を社内で文書化し、証拠(テスト購入の結果など)を残す運用が安全です。
第二のポイントは、多層防御の設計です。自動プロテクションで大半を自動排除し、すり抜けた出品をセルフサービス削除で対処し、被害が深刻な主力商品はシリアル化(Transparency)で物理的に守る——という3層構造で考えると、コストと効果のバランスが取りやすくなります。また、削除した偽造品の傾向(出品元、価格帯、模倣の手口)を記録しておくと、模倣されやすい商品の改良やパッケージ変更といった上流の対策にも活かせます。
まとめ:申告の実績を積み、自己防衛の権限を手に入れる

Amazon Project Zeroは、偽造品対策の主導権をブランド自身に委ねる、Amazonのブランド保護施策の中でも最も強力なプログラムの一つです。自動プロテクション・セルフサービス削除・シリアル化の3機能により、「見つけて通報して待つ」から「自動で防ぎ、自ら消し、物理的に締め出す」への転換が可能になります。参加条件のハードルはありますが、偽造品被害に悩むブランドであれば、まずブランド登録と正確な申告運用の積み重ねから始めて、参加資格の獲得を目指す価値は十分にあります。
Semuis株式会社では、Amazonにおけるブランド保護戦略の設計から、出品管理・広告運用までを一貫して支援しています。「偽造品・相乗り対策を本格化したい」という方は、ぜひお問い合わせフォームからご相談ください。

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。
