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カスタマージャーニーマップとは?BtoB版の作り方5ステップと活用ノウハウを解説

2026.08.02

  • Webマーケティング

「リードは獲得できているのに商談化しない」「マーケと営業で見ている顧客像がバラバラ」——BtoBマーケティングのこうした課題の多くは、顧客が購買に至るまでのプロセスを組織で共有できていないことに起因します。その解決の土台となるのが「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップとは、顧客が自社の製品・サービスを認知し、比較検討を経て購入・活用に至るまでの一連のプロセス(ジャーニー=旅)を、顧客の行動・思考・感情とともに1枚の図に可視化したものです。BtoCで広まった手法ですが、意思決定が複雑なBtoBでこそ効果を発揮します。本記事では、BtoB特有のポイントを踏まえた作り方5ステップと、作って終わりにしないための活用ノウハウを解説します。

カスタマージャーニーマップとは?BtoBとBtoCの違い

BtoBとBtoCのカスタマージャーニーの違い

カスタマージャーニーマップは、横軸に「認知→情報収集→比較検討→稟議・承認→導入→活用・継続」といった購買フェーズを置き、縦軸に「行動」「タッチポイント」「思考・感情」「情報ニーズ」「自社の施策」などを配置して作成するフレームワークです。

BtoBのジャーニーには、BtoCと大きく異なる3つの特徴があります。第一に、意思決定者が複数いること。現場担当者が情報収集し、部門長が比較検討し、経営層や購買・情報システム部門が承認するというように、購買には複数の関係者が関与します。米調査会社Gartnerの調査では、BtoBの購買には平均6〜10人の関係者が関わり、購買担当者の77%が「直近の購買プロセスは非常に複雑または困難だった」と回答しています。第二に、検討期間が長いこと。数カ月から1年以上かけて稟議・予算取りを経るのが一般的で、その間に接触するコンテンツやタッチポイントも多岐にわたります。第三に、購買の大半が「営業と会っていない時間」に進むこと。Gartnerの調査では、BtoBの購買検討時間のうち、サプライヤーの営業担当者との面談に使われるのはわずか17%とされています。つまり、Webサイト・資料・レビューサイトなど非対面のタッチポイントの設計が受注を左右するのです。顧客は営業に会う前に、検索・比較サイト・同僚からの紹介・SNSなどを通じて検討をかなり進めており、「営業が接触した時点で、すでに候補が絞られている」ことを前提にジャーニー全体を設計する必要があります。

このような複雑なプロセスを感覚で捉えるのは不可能です。だからこそ、関係者・フェーズ・タッチポイントを構造化して可視化するジャーニーマップが、BtoBマーケティングの設計図として機能します。

BtoBでカスタマージャーニーマップを作る3つのメリット

BtoBでカスタマージャーニーマップを作るメリット

①部門を超えた「顧客理解の共通言語」ができる。最大のメリットは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスが、同じ顧客像・同じフェーズ定義で会話できるようになることです。「MQLの定義が曖昧」「マーケが取ったリードを営業が追わない」といったThe Model型組織にありがちな分断は、ジャーニーの共有によって大きく緩和されます。実際、カスタマージャーニーマップ作成の副次効果として最も多く挙げられるのが「作成の過程で部門間の対話が生まれ、顧客に対する共通理解ができたこと」であり、完成したマップそのもの以上に、作るプロセスに価値があるとも言われます。マーケ・営業・CSの担当者を最初から作成メンバーに入れることが成功の条件です。

②フェーズ別にコンテンツと施策を設計できる。認知段階の顧客に製品機能の詳細資料を送っても響かず、最終検討段階の顧客に啓蒙記事を送っても遅すぎます。ジャーニーマップがあれば、「情報収集期には課題解説記事とホワイトペーパー」「比較検討期には事例と比較資料」「稟議期には費用対効果資料と稟議書テンプレート」というように、各フェーズの情報ニーズに合ったコンテンツを過不足なく配置できます。

③ボトルネックと施策の抜け漏れを発見できる。ジャーニー上にリード数・遷移率などの実数を重ねると、「資料請求後の商談化率だけが極端に低い」「稟議フェーズを支援するコンテンツが存在しない」といった詰まりが一目で分かります。感覚ではなく構造で議論できるため、施策の優先順位付けが明確になります。

BtoBカスタマージャーニーマップの作り方5ステップ

カスタマージャーニーマップの作り方5ステップ

ステップ1:目的と対象を明確にする。「新規リードの商談化率改善のため」「新サービスのコンテンツ戦略立案のため」など、マップを何の意思決定に使うのかを先に決めます。対象は主力の1商材・1セグメントに絞るのが鉄則です。

ステップ2:ペルソナと購買関与者を設定する。BtoBでは1人のペルソナでは足りません。情報収集を行う現場担当者、決裁権を持つ部門長、承認に関与する経営層・管理部門など、購買委員会の登場人物を洗い出し、それぞれの役割・関心事・懸念を整理します。ここは想像で埋めず、受注顧客へのインタビューや商談録画・議事録、営業へのヒアリングなど実データを一次情報にすることが精度を分けます。

ステップ3:購買フェーズを定義する。「課題認識→情報収集→比較検討→社内稟議→契約→オンボーディング→活用・更新」など、自社の商流に合わせてフェーズを定義します。SFA/CRM上の商談ステージと整合させておくと、後で数値を接続しやすくなります。

ステップ4:フェーズごとに行動・タッチポイント・思考・感情・情報ニーズを記入する。「検索して比較記事を読む」「上司に説明する資料を探す」といった行動と、「失敗したくない」「稟議を通せるか不安」といった感情を書き込みます。BtoBでは特に「社内を説得する材料を探している」場面が多く、ここが支援コンテンツの狙い目になります。

ステップ5:自社施策をマッピングし、ギャップを埋める。各フェーズに既存の施策・コンテンツを配置し、空白地帯や弱いタッチポイントを特定して施策計画に落とし込みます。ここまでやって初めてマップが「使える道具」になります。

作成ツールは、最初はホワイトボードやスプレッドシートで十分です。チームでのオンライン共同編集にはMiroやFigJamのようなオンラインホワイトボードが便利で、HubSpotやferret Oneなどが無料テンプレートを公開しているため、ゼロから様式を作る必要はありません。大切なのは見た目の美しさではなく、「実データに基づいているか」「施策の意思決定に使えるか」です。例えばSaaS企業であれば、「現場担当者は情報収集期に『◯◯ 比較』で検索して比較記事を読む」「部門長は稟議期に費用対効果と導入事例を求める」といった具体的な行動レベルまで書き込めていれば、次に作るべきコンテンツはおのずと明確になります。

活用ノウハウとよくある失敗

カスタマージャーニーマップの活用ノウハウとよくある失敗

ジャーニーマップ作成にはいくつかの定番の失敗があります。失敗①「自社の理想の押し付け」。「こう動いてほしい」という願望でマップを描くと、実際の顧客行動と乖離した施策ばかりが生まれます。必ず顧客インタビューや行動データに基づいて作りましょう。失敗②「完璧主義で頓挫する」。初版から全部門・全商材を網羅しようとすると完成しません。まずは1商材でラフに作り、運用しながら精度を上げる方が成果につながります。失敗③「作って終わり」。最も多い失敗です。マップは市場環境や自社の商材変化とともに古くなるため、四半期〜半期ごとに見直す運用をセットで決めておきましょう。具体的には、「オーナー(更新責任者)を1人決める」「マーケ・営業・CSの定例で必ずマップを開く」「新商材リリース・価格改定・競合の大きな動きがあったら臨時で見直す」という3つのルールを決めておくだけでも、形骸化はかなり防げます。

活用面では、マップをKPIと接続することが重要です。フェーズごとに「リード数」「商談化率」「受注率」などの指標を割り当てれば、マップがそのままファネル分析の土台になります。また、マーケ・営業・CSの定例会議でマップを共通の議論台紙として使うと、部門間の連携が具体的な施策論に変わります。近年は、商談の録画・議事録を生成AIで要約してジャーニー上の「顧客の生の声」を継続的に更新するといった、AIを併用した運用も広がっています。

また、ジャーニーマップはABM(アカウントベースドマーケティング)やリードナーチャリングといった他の施策の土台としても機能します。例えばナーチャリングのメールシナリオは「ジャーニーのどのフェーズにいるリードを、次のフェーズへ進めるためのコンテンツか」という観点で設計すると精度が大きく上がります。マップを単独の成果物ではなく、施策全体のOS(基盤)として位置づけることが、投資対効果を最大化するコツです。

まとめ:ジャーニーマップは「作る」より「使い続ける」が9割

カスタマージャーニーマップまとめ

BtoBのカスタマージャーニーマップは、複数の意思決定者・長い検討期間という複雑な購買プロセスを可視化し、マーケティングと営業をつなぐ共通言語となる設計図です。精緻な1枚を作ることよりも、実データに基づいて小さく作り、KPIと接続し、更新し続けることが成果への近道です。まずは主力商材1つから、受注顧客3社へのインタビューをもとにラフ版を作ってみてください。

Semuis株式会社では、BtoBマーケティングの戦略設計からコンテンツ制作、リード獲得・ナーチャリング施策の実行までを一気通貫で支援しています。「ジャーニー設計から施策への落とし込みまで伴走してほしい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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