Amazonスポンサーディスプレイ広告とは?ターゲティングの種類・費用・運用のコツをわかりやすく解説
2026.07.28
- ECモール
- Webマーケティング
Amazon広告といえばスポンサープロダクト広告が有名ですが、「商品を見たのに買わなかったユーザー」を追いかけて再訪を促せるのがスポンサーディスプレイ広告です。Amazon内の商品ページだけでなくAmazon外部のサイトやアプリにも配信できる、セラー向け広告の中では唯一のリターゲティング手段です。本記事では、スポンサーディスプレイ広告の仕組み、ターゲティングの種類、費用、出稿条件から運用のコツまでを解説します。

スポンサーディスプレイ広告とは?SP・SB広告との違い
スポンサーディスプレイ広告(Sponsored Display)とは、商品詳細ページやカスタマーレビュー横、検索結果ページのほか、Amazon外部のWebサイト・アプリにも配信できるディスプレイ型広告です。バナー画像を用意しなくても商品情報から広告クリエイティブが自動生成されるため、デザイナーがいない店舗でも出稿できます。
スポンサープロダクト広告(SP)・スポンサーブランド広告(SB)との最大の違いは、ターゲティングの起点です。SPとSBは「検索キーワード」を起点に、いま探しているユーザーへ表示するプル型の広告です。一方スポンサーディスプレイ広告は「ユーザーの閲覧・購買行動」を起点に、過去に商品を見た人や関連カテゴリに興味を持つ人へ表示するプッシュ型の広告です。
ECサイト訪問者の大半は初回訪問では購入しません。Baymard Instituteの調査ではカート投入後ですら平均約7割が離脱するとされており、「一度興味を持ったが離脱したユーザー」への再アプローチは、どのECチャネルでも売上を左右する重要施策です。Amazon内でそれを実現するのがこの広告と言えます。

ターゲティングは2種類:商品ターゲティングとオーディエンス
スポンサーディスプレイ広告のターゲティングは大きく2種類です。
商品ターゲティング(コンテキストターゲティング)は、特定の商品(ASIN)やカテゴリを指定し、その商品ページを閲覧しているユーザーに広告を表示する方式です。競合商品のページに自社商品を表示して乗り換えを狙う「攻め」の使い方と、自社商品のページに関連商品を表示してクロスセルを狙う「守り」の使い方があります。
オーディエンスターゲティングは、ユーザーの行動履歴に基づいて配信する方式で、さらに3つに分かれます。①「閲覧リマーケティング」は自社商品や類似商品を過去に閲覧したユーザーへの配信、②「購買リマーケティング」は過去に自社商品や関連カテゴリ商品を購入したユーザーへの配信で、消耗品のリピート促進に有効です。③「Amazonオーディエンス」は、Amazonが保有する興味・関心セグメント(例:アウトドア愛好家、美容関心層など)への配信で、まだ自社商品を知らない新規層への認知拡大に使えます。
初心者はまず「閲覧リマーケティング(自社商品閲覧者・過去30日)」から始めるのが定石です。すでに興味を示したユーザーが対象のため、最も費用対効果が出やすい配信です。

課金方式と費用の目安
課金方式はCPC(クリック課金)とvCPM(ビューアブルインプレッション1,000回あたりの課金)の2種類から選択します。売上獲得が目的ならCPC、認知拡大が目的ならvCPMという使い分けが基本です。CPCの入札額は数十円〜百数十円程度から調整でき、1日の予算も数百円から設定できるため、少額からのテストが可能です。
最適化オプションとして「ページの訪問数に合わせた最適化」「コンバージョンに合わせた最適化」「リーチに合わせた最適化」が用意されており、目的に応じて入札が自動調整されます。まずはコンバージョン最適化×CPCで開始し、データが貯まってから配信を広げるのが安全です。
なお、Amazonの広告事業は2024年に約562億ドル規模(前年比約2割増)に達しており、広告枠と配信精度への投資は年々強化されています。SP・SB広告のクリック単価が上昇傾向にある中、相対的に競争がまだ緩いスポンサーディスプレイ広告は、費用対効果の観点でも試す価値が高まっています。

出稿条件と設定手順
出稿には条件があります。大口出品プランに加入していること、そしてAmazonブランド登録(Brand Registry)が完了していることが必須です。ブランド登録には商標(登録済みまたは出願中)が必要なため、未登録の場合はまず商標の準備から始めることになります。ベンダー(メーカー直販契約)の場合も利用可能です。
設定手順は5ステップです。①広告キャンペーンマネージャーで「スポンサーディスプレイ広告」を選択、②キャンペーン名・期間・1日の予算を設定、③広告グループを作成し宣伝する商品を選択、④ターゲティング(商品またはオーディエンス)と入札額を設定、⑤クリエイティブ(ロゴ・見出しのカスタマイズは任意)を確認して送信。審査は通常72時間以内に完了します。
設定自体は30分もあれば完了しますが、成果を分けるのは「どの商品を」「どのオーディエンスに」当てるかの設計です。閲覧されているのに転換率が低い商品はリマーケティングの効果が出やすく、逆に閲覧数自体が少ない商品はまず検索広告(SP)で露出を作る方が先です。

成果を出す運用のコツ5選
実務で押さえるべきポイントを5つ紹介します。
①商品ページを先に磨く。リターゲティングは「戻ってきたユーザーをもう一度説得する」広告です。画像・A+コンテンツ・レビューが弱いままでは何度呼び戻しても転換しません。②除外設定を活用する。購入済みユーザーへの配信除外を設定しないと、買った直後の人に広告費を使い続けることになります(消耗品は逆に購買リマーケティングで狙います)。③ASINごとに成果を見る。広告グループ単位ではなく商品単位でACOS(広告費売上比率)を確認し、採算の合わない商品は停止します。④SP広告と併用する。検索広告で新規接点を作り、ディスプレイ広告で刈り取る2段構えが基本形です。⑤vCPM配信はセール前に。プライムデーやブラックフライデーの2〜3週間前に認知配信を仕込み、セール期間中に刈り取る運用は、ビッグセールの定番施策です。
まとめ:「離脱したユーザー」を売上に変える
スポンサーディスプレイ広告は、ブランド登録済みセラーだけが使える、Amazon内外へのリターゲティング広告です。商品ターゲティングとオーディエンス配信を使い分ければ、競合からの乗り換え促進・リピート購入・新規認知まで幅広い目的に対応できます。まずは閲覧リマーケティングから小さくテストしてみてください。
Semuis株式会社では、Amazon広告の設計・運用代行から商品ページ改善まで、Amazon売上拡大を総合的に支援しています。「広告のACOSが合わない」「何から始めればいいかわからない」という方は、お気軽にお問い合わせください。

Semuis株式会社 代表取締役。BtoBマーケティング・セールス支援、ECコンサルティング、BPO、リスキリング事業を展開。まだ世に広まっていない優良企業の発掘と、挑戦欲の高い個人の成長に貢献することにコミット。趣味はブラジル音楽と筋トレ、読書など。note→ https://note.com/yamakami_semuis
