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ライブコマースとは?市場規模・メリット・成功のポイントをわかりやすく解説

2026.07.14

  • ECモール
  • Webマーケティング

「ライブコマースという言葉をよく聞くが、実際どんな販売手法なのか」「自社でも取り組むべきか判断したい」——EC事業者様からこうしたご相談をいただく機会が増えています。

ライブコマースとは、ライブ配信とEC(電子商取引)を組み合わせ、配信を視聴しながらその場で商品を購入できる販売手法です。中国で爆発的に成長し、日本でも大手ECモールやSNSプラットフォームが相次いで参入したことで、いま最も注目されるECマーケティング手法のひとつとなっています。本記事では、ライブコマースの基本、市場規模と国内外の動向、メリット・デメリット、そして成功のポイントまでを解説します。

ライブコマースとは?

ライブコマースとは

ライブコマースとは、インターネット上のライブ配信を通じて商品を紹介し、視聴者がリアルタイムで質問やコメントをしながら、配信画面からそのまま商品を購入できる販売手法です。「ライブ配信×EC」と表現されることが多く、テレビショッピングのインタラクティブ版とイメージするとわかりやすいでしょう。

従来のECサイトとの最大の違いは、双方向のコミュニケーションにあります。静的な商品ページでは伝わりにくい質感・サイズ感・使用感を、配信者が実際に使いながら見せることができ、視聴者は「後ろ姿も見せてほしい」「他の色と比べてほしい」といった要望をその場で伝えられます。この即時性と臨場感が、購入の意思決定を強力に後押しします。

配信者は、企業の担当者やショップ店員が務める場合と、インフルエンサーやKOL(Key Opinion Leader)を起用する場合があります。中国では「ライバー」と呼ばれる専業配信者が一晩で数億円規模の売上を作る事例も報告されており、販売チャネルであると同時に、ブランド認知を広げるメディアとしての性格も持っています。

ライブコマースの市場規模と国内外の動向

市場規模と国内外の動向

ライブコマースが最も発達しているのは中国です。iResearch(艾瑞咨詢)などの調査機関によると、中国のライブコマース市場は2023年時点で約4.9兆元(日本円で約100兆円規模)に達したと推計されており、中国EC市場全体の3割前後を占めるまでに成長したとされています。タオバオライブ、抖音(Douyin)、快手(Kuaishou)といったプラットフォームが市場を牽引しています。

米国でもTikTok ShopやAmazon Liveなどが展開され、マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポートでは、ライブコマースの転換率(CVR)は最大30%に達し得るとされ、これは従来型ECの10倍近い水準と指摘されています。すべての配信でこの数値が出るわけではありませんが、「見て・聞いて・質問して買う」という購買体験が転換率を大きく引き上げるポテンシャルを持つことは、各国の事例が示しています。

日本国内では、2020年前後から楽天市場の「Rakuten LIVE」やSHOWROOM、17LIVEなどでの取り組みが始まり、2025年にはTikTok Shopが日本でもサービスを開始したことで、ライブコマースへの注目が一段と高まりました。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」でも、SNSを介した消費者の購買行動(ソーシャルコマース)は継続的に取り上げられており、物販系BtoC-EC市場が約14.7兆円(2023年)まで拡大するなかで、ライブコマースは今後の成長領域と位置づけられています。

日本で再注目される背景

実は日本では、2017〜2019年頃にもライブコマースの第一次ブームがあり、複数の専業サービスが登場したものの、その多くが撤退した経緯があります。当時は「ライブ配信を見ながら買う」文化がまだ根付いておらず、配信人材も不足していました。しかし現在は状況が大きく変わっています。コロナ禍を経て動画・ライブ配信の視聴習慣が定着し、ショート動画経由で商品を知り購入する行動が若年層を中心に一般化しました。さらに、購入まで一気通貫で完結するプラットフォームが整備されたことで、かつての「視聴と購入が分断されている」という課題が解消されつつあります。こうした環境変化が、日本での再注目を後押ししています。

ライブコマースのメリット・デメリット

メリット・デメリット

導入を検討するうえで、メリットとデメリットを整理しておきましょう。

メリット

第一に、転換率の高さです。リアルタイムで疑問を解消できるため購入までの心理的ハードルが下がり、限定価格や限定セットと組み合わせることで「いま買う理由」を作れます。第二に、商品理解の深さです。使い方やサイズ感を動画で確認してから購入するため、イメージ違いによる返品・低評価レビューの抑制も期待できます。第三に、ファン育成効果です。定期配信を通じて店舗や配信者のファンが生まれ、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。加えて、配信アーカイブは商品ページやSNSで二次活用でき、コンテンツ資産として蓄積されます。

さらに、既存顧客との関係強化という観点でも効果的です。メルマガやSNS投稿が「一方通行の告知」であるのに対し、ライブ配信は顧客の声をその場で聞ける貴重な接点です。配信中に寄せられた質問や要望は、商品開発や商品ページ改善のヒントとしても活用でき、マーケティングリサーチの機能も兼ねています。

デメリット・注意点

一方で、配信の企画・台本づくり・出演者の確保など、運用の手間がかかることは無視できません。視聴者が集まらなければ効果は限定的で、集客のためにSNSフォロワーの育成や告知施策が別途必要です。また、生配信ゆえの発言リスク(景品表示法・薬機法などに抵触する表現)には細心の注意が求められます。効果測定においても、視聴数・コメント数・配信経由売上といった指標を事前に定義しておかないと、継続判断ができなくなります。

主要プラットフォームと配信形式

主要プラットフォームと配信形式

ライブコマースの実施方法は、大きく3つに分けられます。

1つめはSNS型です。Instagramライブ、TikTok(TikTok Shop)、YouTubeライブなどで配信し、商品タグやリンクからECサイトへ誘導、あるいはアプリ内で購入まで完結させる形式です。既存フォロワーに直接届けられるため、SNS運用に力を入れている店舗と相性が良い方法です。

2つめはECモール型です。楽天市場などモールが提供するライブ機能を使う形式で、モール内の購買意欲が高いユーザーにリーチでき、購入導線もモール内で完結するため転換までの距離が短いのが特徴です。モールのイベント(スーパーSALEなど)と連動させると効果が高まります。

3つめは自社EC埋め込み型です。専用のライブコマースツールを自社サイトに組み込み、自社ドメイン上で配信から購入までを完結させる形式です。顧客データを自社で保有でき、ブランドの世界観を保ちやすい一方、集客は自力で行う必要があります。

配信企画の例としては、新商品のお披露目会、開発担当者が裏話を語る座談会、視聴者の質問に答えながら商品を選ぶ「お悩み相談型」、季節イベント(母の日・年末セールなど)に合わせた特集配信などが定番です。単なる商品説明の羅列ではなく、「その配信を見ること自体が楽しい」というコンテンツ性を持たせることが、視聴維持と拡散の鍵になります。

どの形式を選ぶかは、「既存の集客資産がどこにあるか」で決めるのが基本です。SNSフォロワーが多ければSNS型、モール店舗の顧客基盤が厚ければECモール型から始めるのが合理的です。

成功のポイントと始め方

成功のポイントと始め方

最後に、ライブコマースを成果につなげるための実践ポイントを紹介します。

まず、小さく始めて型を作ることです。最初から大掛かりな配信を目指すのではなく、スマートフォン1台でも定期的に配信し、「挨拶→商品紹介→質問対応→限定オファー→クロージング」という流れの自店舗なりの型を固めていきます。配信は継続することで視聴者が定着するため、週1回・30分など無理のない頻度で習慣化することが重要です。

次に、コメント対応を最優先することです。ライブコマースの価値は双方向性にあります。視聴者の名前を呼んで質問に答えるだけで視聴継続率と購入率は変わります。配信者とは別にコメント拾い役を置く体制が理想です。

あわせて、KPI(重要業績評価指標)を配信の目的に応じて設定しておきましょう。売上だけを追うと初期は挫折しがちです。立ち上げ期は「平均視聴者数」「コメント数」「フォロワー増加数」といったエンゲージメント指標を、軌道に乗ってからは「配信経由売上」「配信視聴者のCVR」「リピート購入率」を重視するなど、フェーズごとに評価軸を変えることで、正しく改善サイクルを回せます。商品選定においては、実演によって価値が伝わりやすい商品(食品の調理シーン、コスメの使用感、アパレルの着回しなど)から始めると効果を実感しやすいでしょう。

また、配信限定の特典を用意し、「この配信を見た人だけの価格・セット・ノベルティ」を明示することで、その場での購入を促します。配信後はアーカイブの視聴数、配信経由の売上、新規フォロワー数などを振り返り、企画・時間帯・商品構成を改善していきましょう。

ライブコマースは「一度の配信で爆発的に売る」ための魔法ではなく、継続によって顧客との関係と販売力を積み上げていく施策です。だからこそ、早く始めて経験値を貯めた店舗ほど優位に立てます。市場が本格的に立ち上がりつつある今は、まさに始めどきといえるでしょう。

Semuis株式会社では、ECモール運営支援・Webマーケティング支援の一環として、ライブコマースを含む販促施策の企画・運用をサポートしています。「自社に合ったプラットフォームを知りたい」「配信を始めたが売上につながらない」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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