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BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説

2026.09.28

  • EC業務

ネットで注文した商品を、自宅ではなく店舗で受け取る——この「BOPIS(ボピス:Buy Online, Pick-up In Store)」が、国内でも小売の標準的な受け取り方の一つになりつつあります。ユニクロやヨドバシカメラ、無印良品など大手の導入が進み、消費者側も「送料がかからない」「好きなタイミングで受け取れる」利便性を体験済みです。宅配便の再配達削減が社会課題となり、置き配などと並ぶ「多様な受取方法」の柱としても注目されています。本記事では、BOPISの仕組みとメリット、国内事例、導入の4ステップまでを解説します。

BOPISとは?仕組みと広がる背景

BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説

BOPISとは「Buy Online, Pick-up In Store」の頭文字で、ECサイトやアプリで購入した商品を実店舗で受け取る仕組みを指します。日本語では「店舗受け取り」「ネット注文・店頭受取」などと呼ばれます。米国の小売業界で先行して定着し、日本でもアパレル・家電・日用品を中心に導入が広がってきました。

派生形もあります。店舗の駐車場で車に乗ったまま受け取る「カーブサイドピックアップ」、店内の受け取りロッカーで非対面受領する方式、購入はECで返品は店舗で受け付ける「BORIS(Buy Online, Return In Store)」などです。いずれも「オンラインの利便性と店舗の即時性・安心感を組み合わせる」という同じ発想に立っています。

広がる背景は3つあります。第一に、EC市場の拡大です。経済産業省の「電子商取引に関する市場調査」によると、2024年の国内BtoC-EC市場規模は約26兆円(前年比5.1%増)と拡大を続けており、「ネットで買う」行動が日常化しました。第二に、物流側の事情です。ドライバー不足と再配達問題を背景に、国土交通省の調査では置き配・宅配ボックス・コンビニ受取など「多様な受取方法」の利用率が約31%まで上昇しており、BOPISもこの受け皿の一つです(置き配の標準化動向の記事も参照)。第三に、店舗側の戦略です。ECと店舗の垣根をなくすオムニチャネル戦略(詳しくはオムニチャネルの解説記事)の中核施策として、BOPISは「店舗に来てもらうきっかけ」を作れる数少ない打ち手だからです。

BOPISのメリット|消費者・店舗それぞれの視点

BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説

消費者側のメリット

  • 配送料がかからない(多くの事例で店舗受取は送料無料)
  • 再配達の手間がなく、都合のよい時間に受け取れる
  • 在庫を確保してから店舗に行けるため「行ったのに無かった」を防げる
  • サイズ違いなどをその場で確認・相談できる

店舗・事業者側のメリット

  • 配送コストの削減:ラストワンマイル配送費や梱包資材費を圧縮できます。
  • 来店機会の創出と「ついで買い」:受け取りのための来店は、追加購入や新商品との接点につながります。BOPIS利用者の店頭での追加購入は、海外でも国内でも広く報告されている効果です。
  • 店舗在庫の活用:EC用倉庫の在庫だけでなく店舗在庫を引き当てられれば、機会損失を減らし在庫効率を高められます。
  • 返品率の低減:受け取り時に現物確認ができるため、イメージ違いによる返品を減らせる余地があります。

一方でデメリットもあります。店舗スタッフに受け渡し・保管業務が発生すること、在庫連携の仕組みが必要なこと、受け取りに来ない「未引き取り」への対応ルールが必要なことです。特に未引き取りは、保管スペースの圧迫と販売機会の凍結という二重の損失になるため、「受け取り期限は◯日、期限超過は自動キャンセルして返金」といったルールを最初から決めて告知しておくことが重要です。期限前のリマインド通知を自動化するだけでも、未引き取り率は大きく変わります。導入時はメリットとオペレーション負荷のバランス設計が肝心です。

国内の導入事例に見る活用パターン

BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説

国内の代表的な事例を見ると、BOPISの設計パターンが見えてきます。

  • ユニクロ:オンラインストアの商品を店舗受け取りにすると送料無料。EC限定サイズ・商品を店舗で受け取れる導線として機能し、来店動機づくりと一体化しています。
  • ヨドバシカメラ:ECサイトで注文した商品の店舗受け取りに対応し、在庫のある商品は短時間で受け取り可能。「急ぎで確実に手に入れたい」ニーズを取り込んでいます。
  • 無印良品・大手アパレル各社:アプリと連動した店舗受け取りで、来店時の関連購入やアプリ会員化につなげています。
  • コンビニ受取型:自社店舗網が小さいEC事業者でも、コンビニチェーンの店頭受取サービスを使えば「店舗で受け取る」体験は提供できます。

共通するのは、BOPISを単なる受け取り手段ではなく「店舗への送客チャネル」として設計している点です。受け取りカウンターの近くに関連商品や新商品を配置する、受け取り時にクーポンを渡すなど、来店を売上につなげる仕掛けとセットで運用されています。

コンビニ受取との使い分けも整理しておきましょう。コンビニ受取は受け取り場所の数と営業時間で勝りますが、自社スタッフが接客できず、ついで買いも自社売上になりません。BOPISは受け取り体験そのものを自社の顧客接点にできる点が本質的な違いです。「利便性はコンビニ受取・置き配でカバーし、関係構築と追加売上はBOPISで取る」という役割分担で併用するのが、受け取り施策全体の設計としては理想形です。

BOPIS導入の4ステップ

BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説

導入前に押さえておきたいのは、BOPISの成否が「システム」より「体験の細部」で決まることです。受け取りカウンターの場所が分かりにくい、レジ待ちの列に並ばされる、本人確認に手間取る——こうした小さな摩擦があると、せっかくの利便性が台無しになり、次回から使われなくなります。逆に、専用カウンターや受け取りロッカーでスムーズに渡せる店は、「ネットで買って店で受け取るのが一番ラク」という習慣を顧客に定着させられます。以下のステップでも、この体験品質を軸に設計してください。

ステップ1:対象商品と受け取りフローを設計する
まず「どの商品を・どの店舗で・何日以内に」受け取れるようにするかを決めます。最初から全店舗・全商品で始める必要はありません。旗艦店×売れ筋商品など、小さく始めて検証するのが定石です。未引き取り時の保管期限とキャンセル処理ルールもこの段階で決めます。

ステップ2:在庫・注文システムを連携する
ECの注文情報と店舗の在庫・受け渡し業務をつなぎます。カートシステムやアプリのBOPIS対応機能、POS・在庫管理システムとの連携が論点になります。在庫の一元管理が難しい場合は、「EC倉庫から店舗へ取り寄せて受け渡す」方式から始めると、在庫連携のハードルを下げられます。

ステップ3:店舗オペレーションを整備する
入荷検品・保管場所・本人確認・受け渡しの手順をマニュアル化し、スタッフに周知します。受け取り準備完了を知らせる通知(メール・アプリ)の文面と、店頭での声かけ・関連提案の仕方まで決めておくと、送客効果が高まります。

ステップ4:告知して、指標を見て改善する
商品ページ・カート画面で店舗受け取りの選択肢と特典(送料無料など)を明示し、利用率を追います。「受け取り準備完了」通知の速さは体験の質を大きく左右するため、注文から受け取り可能までの目安時間を明記し、実測値を短縮していくことも重要です。見るべき指標は、BOPIS選択率、受け取り時の追加購入率、未引き取り率、店舗業務の所要時間です。人手不足の店舗では業務負荷とのバランスも重要になります(小売業の人手不足対策の記事も参考にしてください)。

導入前チェックリストと今後の展望

BOPIS(店舗受け取り)とは?メリット・国内事例・導入4ステップを解説
  • □ 対象商品・対象店舗・受け取り期限を決めたか
  • □ 在庫引き当ての方式(店舗在庫/取り寄せ)を決めたか
  • □ 未引き取り時の保管・キャンセルルールを決めたか
  • □ 店舗スタッフの受け渡しマニュアルと通知文面を整備したか
  • □ 送料無料など利用を後押しする特典を設計したか
  • □ BOPIS選択率・追加購入率など評価指標を決めたか

優先順位のつけ方にも触れておきます。BOPISの効果が出やすいのは、①店舗網が商圏人口をカバーしている、②「今日欲しい」ニーズが強い商材(家電・日用品・ギフトなど)、③客単価に対して配送コスト比率が高い商材、のいずれかに当てはまる場合です。逆に、店舗が少ない・重くて持ち帰りにくい商材が中心といった場合は、コンビニ受取や置き配など他の受け取り施策の方が費用対効果が高いこともあります。自社の商材と店舗網に照らして、どの受け取り方から整備するかを判断しましょう。

受け取り方の多様化は、置き配の標準化やコンビニ受取の拡大と合わせて、今後も進む大きな流れです。「配送か店舗か」ではなく「顧客が受け取り方を選ぶ」前提で販売チャネルを設計できるかが、小売事業者の競争力を左右します。各社のシステム対応状況や外部サービスの仕様は変化が早いため、導入検討時は最新の公式情報を確認してください。

Semuis株式会社では、EC運営と店舗施策をつなぐオムニチャネル戦略の設計・実行支援を行っています。BOPIS導入や受け取り体験の見直しを検討中の方は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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